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きっとこんなの、大人の性行為の手順としては凄く不格好なんだろうな?と。
漫画や小説で得た知識と照らし合わせながら思ってしまった羽理だったけれど、それでも初めての相手が恋愛初心者の自分に足並みをそろえてくれる大葉で良かったと安堵せずにはいられない。
(大葉以外の男性とだったら私、きっとしたあとで流されたって後悔しちゃう)
パーカーとキャミソールをゆっくりと身体から引き剥がされながら、羽理は大きなアーモンドアイで大葉をじっと見上げる。
「あの……大葉も……」
空気にさらされて心許ない胸元を両手で隠しながら、自分だけ半裸は恥ずかしいと仄めかす羽理に、大葉が着ていた上衣を何の躊躇いもなく脱ぎ捨ててしまった。
「……ひゃっ」
もちろん、奇異な出会い方をした二人だ。
見たことのない身体ではない。
にも関わらず、大葉の潔い脱ぎっぷりに彼の男らしさを垣間見た羽理は、やたらと照れて。
しかも大葉に組み敷かれた状態でこんな風に見上げたことなんてもちろんなかったから、着痩せして見えるのにその実しっかり筋肉質で均整の取れた大葉の上半身に見惚れて、思わず彼に触れてみたくなってしまった。
「大葉、ちゃんと男の人の身体だ……」
当たり前のことをつぶやいてから、片手で両乳房のふくらみを隠すように気を付けながら、空いた方の手を一生懸命伸ばして固く引き締まった大葉の胸筋をサワサワと撫でさする。
触れられた大葉は一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに二ッと笑った。
「今更自覚したのか。お前は女で俺は男だ」
「ご、ごめんなさっ。わ、私ってば……勝手に触っ……」
「別に構わねぇよ。お前にならいくらでも触らせてやる」
「……ホントに?」
「ああ、もちろんだ。けど……俺もお前に触れるぞ?」
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