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「ふぇっ!?」
「いや、当然だろ」
ククッと笑う大葉をオロオロと見上げた羽理だったのだけれど。
「手、退けて?」
危うい感じで両胸を隠していた腕をいとも容易く排除されてしまう。
きっと柚子くらいふくよかなフワフワおっぱいならば、手を外した瞬間にプルンッと揺れてまろび出るのだろうが、羽理のささやかなちっぱいはそのイメージとは程遠かった。
その屈辱を「やんっ」という言葉と、大葉の腕を掴む手に込めた羽理だったのだけれど。
大葉はまぶしいモノでも見るみたいに瞳をうっとりと眇めると、まるで壊れものに触れるように優しく羽理の小さな下乳に触れる。
「やっと……触れた」
そうして無意識だろうか。
嬉し気に……長年の悲願が成就したかのように吐息交じりでポツンと落とすから。
羽理は思わずそんな大葉をじっと見上げた。
「がっかり……して……ない?」
「何で?」
「きっと触り心地とか……全然よくない、からっ」
「なぁ、それ本気で言ってる? お前の胸、すっげぇ柔らけーし……俺の手に程よくフィットして吸い付いてくる感じ……堪んねぇんだけど」
「嘘……」
「嘘でココ、こんなになると思うか?」
先程よりも固く張りつめた下腹部を太ももに押し当てられた羽理はヒュッと息を呑んだ。
「大葉……」
「ん?」
「……その、げ……幻滅しないでいてくれて……有難う……」
大葉が自分の身体を受け入れてくれたことに心底ホッとして。
羽理は我知らず謝辞を述べていた。
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