20.お願い、抱かせて?*

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「ふぇっ!?」 「いや、当然だろ」  ククッと笑う大葉(たいよう)をオロオロと見上げた羽理(うり)だったのだけれど。 「手、退()けて?」  危うい感じで両胸を隠していた腕をいとも容易(たやす)く排除されてしまう。  きっと柚子(ゆず)くらいふくよかなフワフワおっぱいならば、手を外した瞬間にプルンッと揺れてまろび出るのだろうが、羽理のささやかなはそのイメージとは程遠かった。  その屈辱を「やんっ」という言葉と、大葉(たいよう)の腕を掴む手に込めた羽理だったのだけれど。  大葉(たいよう)はまぶしいモノでも見るみたいに瞳をうっとりと(すが)めると、まるで壊れものに触れるように優しく羽理の小さな下乳(したちち)に触れる。 「やっと……(さわ)れた」  そうして無意識だろうか。  嬉し気に……長年の悲願が成就(じょうじゅ)したかのように吐息交じりでポツンと落とすから。  羽理は思わずそんな大葉(たいよう)をじっと見上げた。 「がっかり……して……ない?」 「何で?」 「きっと触り心地とか……全然よくない、からっ」 「なぁ、それ本気で言ってる? お前の胸、すっげぇ柔らけーし……俺の手に程よくフィットして吸い付いてくる感じ……堪んねぇんだけど」 「嘘……」 「嘘でココ、こんなになると思うか?」  先程よりも固く張りつめた下腹部を太ももに押し当てられた羽理はヒュッと息を呑んだ。 「大葉(たいよう)……」 「ん?」 「……その、げ……幻滅しないでいてくれて……有難う……」  大葉(たいよう)が自分の身体を受け入れてくれたことに心底ホッとして。  羽理は我知らず謝辞を述べていた。
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