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残念ながら一度口にしてしまった言葉は取り消せないことも十分理解しているつもりなのだ。
ならば、せっかく恥ずかしい思いをしてまで投げ掛けた質問をスルーされてしまうのは、何とも悔しいではないか。
そう思った結果、羽理は(もぅ! 教えてくれたっていいじゃない! ケチ!)と心の中でプンスカしていた。
そもそも、ひどく整ったハンサムぶりに誤魔化されてしまいそうだけれど、目の前の男は人様の家の風呂場へ〝裸で〟不法侵入してくるような変態部長。
そんな変態さん相手に、少々エッチな質問を投げかけたところで叱られる義理はない!……と、思う。
(むぅー。腰のタオルをピラリとめくって確認するわけにはいかないんだから、ちょっとくらい教えてくれたっていいのにぃーっ!)
実は自分の身体が異性にとって魅力的なのかそうでないのか。
それ自体が、未通女の羽理には未知の領域だったから。
このところリアルな恋愛に前のめり気味な羽理は、例えば桃色吐息的戦法で、自分が男性を魅了できるかどうかを知りたいなと思っていて――。
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