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「羽理……」
大葉は羽理の頬へ片手でやんわり触れると、なるべく穏やかに聞こえるよう気遣いながら愛しい彼女の名を呼んだ。
羽理が大葉の呼び掛けに、涙に濡れた瞳を向けてくるから。
大葉は羽理の顔にゆっくりと影を落とすと、彼女の小さな唇を柔らかく食んだ。
そうしながらゆるゆると優しく羽理の愛らしい胸のふくらみを揉みしだいて。
先程自分が丁寧に愛撫して育て上げ、ぷっくりと尖らせた乳首にはあえて触れないよう気を付けながら、薄桃色の色付きの付近をやんわりと挟み込むようにふにふにと責め立ててやる。
「ふ、ぁっ……」
唇を合わせている大葉には分かる。
羽理の呼気が熱く乱れてきていることに――。
大葉は、羽理がもどかしそうに太ももを擦り合わせているのに気が付いていて、知らんぷりをした。
ついでと言うわけではないが、わざと刺激を与えてやっていない愛らしい胸の飾りが、ささやかながらもツンと存在を主張するように勃ち上がっているのにも、気付かないふりをした。
チュッと下唇を吸い上げるようにして唇を離すと、羽理が切なげな眼差しで大葉を見上げてくる。
「大葉ー……」
無意識なんだろう。
スッと動かされた羽理の手が、自身で胸の先端へ触れようとしたのを制すると、大葉は羽理に意地悪く微笑んだ。
「羽理、自分で触るのは無し、な?」
「……っ」
大葉の言葉に羽理が瞳を見開いてポロリと涙を落とすから。
「して欲しいことは全部俺に言え。叶えてやる」
大葉は、伝い落ちた羽理の涙を指の腹で拭いながらそう提案してやった。
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