3.半裸・ノーブラ会議

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 自分も真っ裸で準備なしは心底びっくりしたけれど、裸を見られたのはある意味好都合。  目の前の屋久蓑(やくみの)大葉(たいよう)は、まさに飛んで火に入る夏の虫。  罠にかかったからにはとことん色々取材させてもらうんだからね!?とか思っていたりする。  そのための質問を無残にもつぶされたことにガッカリしながら、ぼそりとつぶやくように「荒木(あらき)羽理(うり)です」と口早(くちばや)に名乗ったら、聞き取れなかったのだろうか。  屋久蓑(やくみの)部長が「……あらキュウリ?」とバカなことを言ってくる。 「それは……さっきのぶっ飛び質問への報復ですか?」  ジロリと真正面から睨んだら、「バカ! んなわけねぇだろ。っていうか、とんでもない質問をしたっていう自覚はあったのか。……驚きだな。お前ホント、どういう感性をしてるんだよ!」とか。 (ば、バカって言った……! 変態裸男の癖に……)  羽理の頭の中、もう一人の羽理が『可愛げのないことを言う人には三毛ちゃんタオルは貸しません!』とか何とか言いながら、屋久蓑(やくみの)部長が腰に巻いたタオルを奪い返す構図が浮かんで。 (いやいやいや。さすがにそれはダメでしょ)  そんなことをしたら痴女(ちじょ)決定になってしまう。 「ア・ラ・キ・ウ・リです! キュウリではありません!」  羽理は、小学生の頃屋久蓑(やくみの)部長みたいなアホな男子から「あら、キュウリぃ~!」と揶揄(からか)われて、以降高校へ行くまであだ名がキュウリだったのを苦々しく思い出していた。
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