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「ソファに座った方が羽理ちゃんの身体、楽だよね……」
羽理の声に、足腰の痛む彼女に無理をさせてしまったと思ったのだろう。眉根を寄せて「けど……ごめんね?」と前置きした柚子が、「何せ数が多くってそこのローテーブルに乗り切らないの……」と言い訳をする。
それもそのはず。柚子がリビング壁面の作り付け棚から取り出しては次々に羽理の前へ積み上げていくアルバムの数は、すぐに十冊を超えたのだから。
「これが〇歳から一歳までで、こっちがそこから二歳までの。これが三歳くらいまでのでぇー、このあたりが保育園に入園するまでのね。この辺りから少し写真の数が減っちゃうんだけど……この三冊が保育園の赤ちゃんクラスの頃ので、これが年少さんね。こっちが年中さんの頃で、これが年長さん。で、ここからが小学校に入ったあたりかな」
(こんなに積み上げて、やっと小学校入学ですかっ!?)
柚子の説明を受けながら、クラリと眩暈を覚えた羽理である。
自慢じゃないが、一人っ子の羽理のアルバムは、小学校に上がるまでで、たったの三冊で事足りる。四冊目に至っては、小・中学生のころのダイジェスト版。かろうじて五冊目――高校に入ってからのものは、今現在に至るまで……まだアルバムの台紙を埋め切れていない。
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