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『――でね、二人でアルバム見てたら恵介伯父さんの話になったみたいで……』
「ああ……」
そんな大葉のてんやわんやな心情などお構いなしに七味が言葉を続ける。
実際大葉自身、柚子が羽理にアルバムを見せたという話を聞いた時点で、何となくそうなっているんじゃなかろうかと予測はついていた。だが、ハッキリと言葉にされるとくるものがあるなと思って……。
「なぁ、それってやっぱ……恵介伯父さんが土恵の社長だってこと――」
『柚子が何の気なしにバラしちゃったみたい』
口止めしていたわけではない。話の流れからそうなっても不思議じゃないよな、と頭を抱えたくなった大葉だったのだが、そこで怒り出す前の羽理から問い掛けられた文言を思い出して、ハッとした。確か羽理は、自分が今日〝社長に何を話しに行ったのか〟を知りたがってやしなかったか?
「あー、くそっ! マジか……!」
まさか自分が社長の身内だと羽理に知られているだなんて露ほども思っていなかったから、見合いのことは敢えて伝えなくてもいいと思っていた。だけど……社長が自分の伯父だと知られていたというなら話は別だ。
「なぁ、羽理のやつ……ひょっとして俺に伯父さんから見合い話がきてたこと――」
『うん。柚子がうっかり話しちゃったみたいなの。ごめんねって貴方に伝えて欲しいって……さっきメッセがきたのよ』
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