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そこまで口を挟む余地もないくらい一気にまくし立てられた大葉は、キラキラと瞳を輝かせて不思議現象の原因が分かったと言わんばかりの荒木羽理に、マジか……と思わずにはいられない。
「――なぁ、お前が俺の着るモン買いに行ってくれてた間、俺がお前ん家でひとり留守番してたの、忘れてねぇか?」
「え?」
「だからっ。そのタグ切り離したのは俺だよ」
「……嘘ッ!」
「嘘じゃねぇわ。普通見たこともねぇ妖精へ行く前にそっちの可能性考えんだろ」
「た、確かにその通りですけど。――あ。けど……えっ!? ってことは……。ちょっと待ってくださいっ。部長って実は妖精さんだったんですか?」
「はっ? 何でそうなる! どう見ても俺は普通の人間だろーが。――荒木、お前一回そのメルヘン世界から脳みそ切り離せ」
告げられた言葉が信じられないと言わんばかりに瞳を見開く荒木に、大葉は苦笑せざるを得なくて。
(そう言えばコイツ、俺のこと魔法使いにしようとしたこともあったな)
童貞呼ばわりとともに、そんなことを言われたことまで思い出してしまう。
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