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屋久蓑部長に、最有力候補と思われた妖精さんのイタズラ疑惑をつぶされて、羽理はお手上げ。
結局あの不思議現象の原因は何だったの?の振り出しに戻ってしまった。
(妖精さんのイタズラなら私が部長の家に飛ばされる可能性はつぶせたと思ってホッとしてたのにぃ!)
何となく我が家の妖精さんの仕業なら、イタズラの範疇も自分の家の中に限定されるかな?と思えて安心出来ていたのに非常に残念だ。
「妖精さんじゃないなら私には分かりません……」
意気消沈して答えたら、屋久蓑部長はしばし何事か考える素振りをして。
「なぁ、一応聞いとくんだが……お前いつも風呂は何時頃入ってる?」
いきなり入浴時間帯について聞いてきた。
(レディの入浴時間を知りたいだなんて、エッチな人ですね!?)
――そういう人、嫌いじゃないです!
なんて心の中で密かにムフフとほくそ笑みながらも、羽理は屋久蓑部長の真剣な表情に気圧されて、思わず真面目な顔で答えてしまった。
「……退社時刻にもよりますけど……大体二十三時前後ですかね?」
「は? 何でそんなに遅いんだ! 荒木、お前まさか毎日残業でもしてんのか?」
――俺が入る時間と変わんねぇじゃねぇか、と付け加えながらジロリと睨まれて、羽理は思わず「ひっ」と悲鳴を上げた。
先日は風呂上りで髪も下りていて幼く見えたから余り感じなかったけれど……会社で見る屋久蓑大葉は髪の毛をきっちり整髪料で整えていて。
切れ長の眼光鋭い目と、美術品ですか?という整った顔立ちがはっきりと視界に飛び込んでくるから、睨まれると割と迫力があって怖いのだ。
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を上げました。
600字ない短いお話ですが、もし宜しければ❤️
※いつも本当に有難うございます!
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