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「きゃー! 大葉の馬鹿! そういうことをサラリと言わないで下さいっ!」
正直ビッグマグナムがどうのこうの騒いでいるときは大葉を性的な意味で意識していなかったから割と平気だった羽理だけれど、肉体関係を持ってしまった今は、逆にあんなことやこんなことが脳内をめちゃくちゃ具体的に駆け巡って、冷静ではいられないのだ。
「変なやつだな。初っ端なんてすっげぇ大胆で俺の方が恥ずかしかったくらいなのに」
大葉も同じことを思ったのか、チュッと羽理のうなじに口付けを落としてクスクス笑う。
「ひゃぅ! けど……ダメです、ダメです、とにかくダメなんですっ」
湯船に浸かっているからだけではない火照りから全身を真っ赤にして首筋を押さえた羽理に、「おや羽理さん、お胸のガードが手薄になっていますよ?」と、大葉が無防備になった羽理の胸へ触れてきた。
「ぁんっ」
途端、胸から突き抜けるような快感が走って、思わず甘い声を漏らしてしまった羽理だったのだけれど……これ以上大葉がエッチな気持ちになってしまったら正直身が持たないと警戒する。
今まで意識していなかったから気付けなかったけれど、ずっと羽理の腰元にあったらしい大葉の〝ご立派さん〟がビクンッと羽理の声音に反応したのが分かったから余計。
焦りまくった羽理は、「の、逆上せちゃいそうなのでお先に失礼します!」と深く考えもせずにザバリと湯船から立ち上がった。
だけど。
「あらあら羽理さん、可愛いお尻が丸見えですよ! すっげぇ大胆っ!」
ククッと大葉が笑う声を背中で受け止めた羽理は、「大葉の意地悪っ!」と真っ赤になって、油の切れたロボットみたいにぎこちない動きで風呂場をあとにした。
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