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大葉が羽理の実家への手土産に用意したのは、糯米〝滋賀羽二重糯〟を使用した香ばしい皮と、瓶入りのマスカルポーネチーズクリーム、同じく瓶入りの北海道産大納言小豆使用の粒あんがセットになった『あんころポーネ最中』だ。皮と中身が各々別々になっていることで、賞味期限が常温保存で三〇日間と長いのが良い。
羽理から、お母様もおばあ様も粒あん入りの最中が大好物で、チーズもお好きだと情報を得たから間違いはないだろう。二人は割とスタイリッシュで、和洋折衷のお菓子も大好きなのだと羽理が自信満々に教えてくれたのも決め手になった。
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「これ、どこで買ったんですか?」
羽理が興味を持つであろうことは織り込み済み。
大葉は手土産用とは別に、自宅用も手配していたのだが、案の定というべきか。
自宅用を前に、「味見しておこうか」と誘い掛けたら目をキラキラさせた羽理にそう問い掛けられた。
「京都の老舗の贈答菓子なんだが、通販で翌日には届けてくれるってあったからそれを利用してみた」
木曜の昼休みに、羽理から『いつでも訪問OKです』というメッセージをもらうなりすぐに手配したのだが、金曜の昼過ぎには会社へ送られてきてホッと一息ついた大葉である。
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【お知らせ】
手土産のモデルにしたお菓子をエッセイで取り上げています。
https://estar.jp/novels/26236867/viewer?page=109
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