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「もぉ、お母さん、いきなり距離削り過ぎっ! 大葉が固まっちゃったじゃん!」
「えー!? だって思ったより何百倍もハンサムさんだったんだもん! お母さんだって間近でじっくり見たいわよぅ!」
情けない話だが、羽理がワンクッション入れる感じに割り込んでくれたことで、大葉は母親の視線が自分から外れて、やっと呪縛が解けたように身動き取れるようになった。
「あ。――えっと、申し遅れました。わ、わたくし、お嬢さんとお付き合いさせて頂いております屋久蓑大葉と申します」
それでしどろもどろ。何とか自己紹介をすることができたのだが――。
「まぁまぁご丁寧に。……私はその子の母親の荒木乃子と申します。――で、この子が……」
名乗るとともに手の中の白いふわふわを目の前へ突き出された大葉は、思わず〝それ〟を受け取ってしまう。
「ジャジャーン♪ 今日屋久蓑さんが来訪なさった目的のメインっ! ふわふわ白猫の毛皮ちゃんでーす♪」
羽理そっくりの口調で「ジャジャーン!」という効果音付き。急に真っ白な毛玉――もとい〝毛皮ちゃん〟を抱かされた大葉は、猫らしく人見知りを発揮した彼女(彼?)に引っ掻れて逃走! されることを覚悟したのだが――。
(ちょっと待て、何でだ!)
予想に反してゴロゴロと喉を鳴らして嬉し気に大葉のあご下へ顔をすり寄せてくるではないか。
ずっしりと重量感のあるボディに、べちゃっと潰れて見える微妙なお顔立ち。猫、と呼ぶには余りにもちんちくりんなその面貌は、ちょっぴり居間猫神社の猫神様を髣髴とさせられる。
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【『とり服』名付け裏話】
https://estar.jp/novels/26128094/viewer?page=13
にお母さん(乃子)を追加しました。
もし宜しければ♥
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