7.今夜は泊まって行け

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「ところでお前! 風呂は明日の朝入れって言っただろ! 何でいま入ってるんだ!」 「らってぇ~。ベタベタしれ気持ち悪かったんれしゅもん」 (いや、それは帰り(ぎわ)にも聞いたけどな!?)  まだこんなにフラついてるのにシャワーを浴びたんだと思うと、転倒しなくて良かったと心底ホッとした大葉(たいよう)だ。 「とりあえず、風邪ひいちまう。さっさと身体、拭け!」  ポタポタと水滴を落とす荒木(あらき)を見かねて大葉(たいよう)が言ったら、彼女が頭を拭こうとしてバランスを崩して。 「危ねっ」  思わずその身体を抱き留めた大葉(たいよう)だったのだけれど。 「やーん。ご立派しゃんが当たってましゅー」 「わ、バカ、触るなっ、……あっ」  荒木にタオル越し。  スリッと息子を撫で上げられた大葉(たいよう)は、思わず(あえ)ぎ声を上げた。 「わぁ~、思っらより(から)くれビックリにゃのれしゅ」 「だ、から……勝手に触ん、な……、ふ、ぁっ!?」  荒木羽理の小さな手でギュッと股間を握られた大葉(たいよう)は、理性を総動員して暴発しそうになる息子をなだめた。  と言うより――。 「……手を放、せ! この破廉恥(はれんち)(むすめ)っ!」  下腹部へ伸ばされた荒木の濡れそぼった手首を握ったら、思いのほか細くて驚かされて。 (こんな細腕、俺の片手で簡単に押さえ付けられちまうじゃねぇか)  彼女はそういう危険性を分かっているのだろうか。
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