7.今夜は泊まって行け

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*** 「俺はソファで寝るから荒木(あらき)はベッドで寝ろ」  さすがに女性を変な場所で寝かせたとあっては男が(すた)る。  ベッドが、セミダブルひとつきりしかない以上、荒木にそっちを使わせて、自分はリビングのソファで、が自然な流れだ。  そう思った大葉(たいよう)だったのだが。 「えー、嫌れすよぅ。しょんな(ころ)しゃれたら……、めっちゃ悪者(わりゅもの)みたいじゃないれすかぁ」  ――なので、わらしがソファで!とか言い始める荒木と一悶着(ひともんちゃく)あって。  散々言い合いした挙句、結局、「もぉ、面倒(めんろ)くしゃいれすね! らったら一緒に寝ちゃいましょぉ! ぶちょぉのベッド(べっろ)広いれすし問題(もんらい)ないれす!」ととんでもない提案をされてしまった。 「い、いや、それだと俺が困るだろーが!」 「何れぶちょぉが困るんれすか! 失礼(しちゅれい)(ひろ)れすね! わらし、一緒に寝たからって(おしょ)ったりしませんよっ!?」 「何、バカなことを!」 「バカ!? そっちこそわけ分かんないれす。ひょっろしれ、(おしょ)っれ欲しいんれすかっ!」 「んなわけあるかよ!」 (いや、だからっ! 襲われるのはお前の方だと何故思わない!?)  余りに危機感がなさ過ぎる荒木羽理に、大葉(たいよう)は気にし過ぎている自分の方がおかしいんじゃないかとさえ思い始めて。 「らったら問題(もんらい)ないれしょー! ほりゃ、歯磨きも(しゅ)みましたし、ちゅべこべ言っれないれ、しゃっしゃと寝ますよ!? ――明日(あしゅ)も仕事なんれすからっ」  最終的には何だかそんな風に丸め込まれてしまった。
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