呑兵衛、夏凛の酔いどれ探偵、捕物控 肆 猫飼い村のその後、白天狗の謎

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副所長も猫飼さんのお宅にも慣れて きたらしく、キャリーの中から出てきて おじいさんや、おばあさんに 愛想を振りまいていた。 飼い猫君たちには、少々迷惑をかけたが 勘弁して欲しい。 長い間ではないので・・・。 夏凛さんから、おじいさん、おばあさんに 暗視カメラを屋根に設置する事は話したようで、 了承をもらったらしい。 その晩、部長さんが猫飼さん宅を タブレットを持って訪れてきた。 「お嬢様、全て設置完了しました。 この、タブレットでそれぞれ3台の カメラ映像がライブで観られます」 タブレットには、画像が三分割で 映し出されていた。 その一つを押すとその映像が、大きく 映し出される。 普段は、3分割のままで何かが写ったら その画面を拡大して確認する。 画面を押すだけなので、 お年寄りにも簡単に操作ができる。 カメラの管理やタブレットの管理は 部長さんの方でやって貰える事になっている 映像は、絶えず録画されもし白天狗が 写った場合はそれを、温泉宿で 映像を流して、猫飼い村の売りのひとつに するようだ。 野生動物には、シッカリとした配慮を 取りながら・・・。 一応、僕達は猫飼い村の滞在時間を あと、3日程としているが夏凛さんは 白天狗の正体がわかるまでは、何とかここに 留まりたいようなのだが、事務所のことも 心配だし、せっかく仕事がボチボチと 増えてきた所で、長い期間事務所を 留守にしておく訳には行かない。 何とか、この3日の内に正体が解明する事を 願う。 しかし、その時は思ったより早く訪れた。 カメラを設置後、2日目のこと 猫飼のおじいさんがふとタブレットの 画面で動く物に気付いた。 「今、温泉宿の屋根の上で何かが           動いたようじゃ」 全員が、タブレットの前に釘付けになる。 そこには、数匹の動物がいた。 カメラはカラー画像の物で赤外線を照射して カメラ内でカラー画像に変換すると言う物 映し出された映像はやはり、日本猿 映像には4匹映っていた、そしてその内の 1匹が白い猿だった。背中に小猿が しがみついている、そのこざるまでが 白の猿だった。親子して白猿。 これが、白天狗の正体だ! そこに、猫飼さん宅の電話が鳴る、 電話をかけてきたのは、部長さんだった。 おばあさんが、夏凛さんに電話を代わる。 「お嬢様、今!映ってますよ!            見てますか!」 興奮している声がここまで聞こえてきた。 「はい、今見ていた所です、       やはり正体は白猿でしたね」 「お嬢様の言っていた通りでした」 「この事はすぐに、広まるから、 今のうちに、あの親子猿を守る事を 考えましょう、それでなくても 今この猫飼い村は注目されていますし、 そこに、白猿発見などとニュースが 流れたら、猫飼い村に人が殺到して しまいます。 先にこちらから、メディアを使って 注意を呼びかけましょう。 部長の方から、テレビ局に連絡して もらえますか?あとは私が何とかしますから」 「わかりました。今からテレビ局、各社に 連絡します」 「お願いします、明日のお昼12時、 猫飼い村から重大発表があると伝えて下さい」 「わかりました、すぐに手配しますので」
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