呑兵衛、夏凛の酔いどれ探偵、捕物控 肆 猫飼い村のその後、白天狗の謎

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そこにいた、全員が驚いていた。 「親子の白天狗です この村が、賑やかになって、残飯や 色々な食べ物にありつける為、猿が この村に戻って来た、と言うより やって来たのです。 この村が有名になれば、当然白天狗も 有名になってしまいます。 この村にいた、先人達は白い猿など いる訳がないとの先入観から、これは 天狗に決まっていると思い込み 白天狗伝説が生まれたのでしょう。 どうか、皆さんにこの親子をメディアの力で 守って、欲しいんです。紹介するのは 一向にかまいません、しかし過度の 撮影や追い込みなどはしないで頂きたいのです それを、メディアの力で ここに来るお客様達にも、解ってもらう為に 皆さんに協力してほしいです」 「しかし、それじゃお宅の会社が この猿のお陰で儲かるだけじゃ ないんですか?」 「そんな・・・」 夏凛さんが言葉を失った。 そこで、今まで黙っていた会長さんが 「君は、どこのメディアの者かな、 この、呑辺賢吉がそんな事をして 金儲けをするとでも思っているのか!」 会長が、一括した。 呑辺コンッエルンと言えば、スポンサーの 代表格、それも会長を怒らせては 大変なことになってしまう。 その記者はまだ若そうで、その辺の事情が 解ってないのだろう。 すぐに、年配の記者が来てその質問した記者の 頭をこずきながら会長に頭を下げていた。 「この村に事件解決のために来ていた 探偵の私の孫娘だ、あの50年前の事件を 解決して、この村の事まで心配して 私に相談をして来た。 秘湯の温泉として村を蘇らせたいと 言ってきた。我が社ではこの 猫飼い村で、利益を出そうなどとは はなから考えてはおらん! たまたま、村が再起動して来た所に 今回の白天狗の話が出てきただけだ! 勘違いしないで欲しい、 利益はこの村の為につかう、皆さんも こんな孫娘の気持ちを汲んで欲しい、 君達の力で、この村と親子の白天狗を守って やって欲しい、お願いします、 なお、ガードマンを配備して、 かつ警察にも協力を頂く事にしたので おかしな輩が出てきた時には遠慮なく 対処させてもらうので、その辺の事も 注意喚起しておいて欲しい」 「会長!先程言われた50年前のこの村で 起きた、あの事件を解決されたんですか? その、お嬢さんが!」 すると、今度はW爺さんが出てきて あの事件のことを詳しく話し出して しまった。 探偵嬢ちゃんの推理、行動力 夏凛さんの事を褒めちぎっていた。 迷宮入りだと言われていた事件だったので 記者さん達は、そちらの事件解決の 話を聞かせてくれと言ってきた。 「皆さん、あの事件は既に解決しています この村の為ここに生きていく人たちのため これ以上の詮索はご勘弁ください。 この村も、人も、白天狗も生まれ 変わったんですから、 ・・・・・・ただ」 「ただ、何ですか」 「何か事件でお困りの事がありましたら 『NPD』呑辺私立探偵事務所にお任せください そこんとこ、よろしくです」 夏凛さんはちゃっかり『NPD』の事を 宣伝していた。
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