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「夏凛さん、この車の持ち主旦那さんの
実の姉らしいです、どう言う事でしょうか」
「ふ〜ん・・・奥さんに知られないように
しているってことはふた通りしかないよな
ひとつは本当に浮気しているか
もうひとつは、奥さんに知られないように
何かを計画しているか、あっていた人が
実の姉ということで有れば浮気の線は
消える・・・・・・缶助この数ヶ月先に
何か夫婦の間でイベントがないか
奥さんに聞いてみろよ」
「今ですか」
「そう、今すぐ」
「はい」
「もしもし、たびたびすみません、関谷です
ひとつお伺いしたいのですが
この先ご夫婦の間で何か、イベントのような
物はありませんか?・・・結婚記念日
ちょうどその日が娘さんの誕生日それが
来月に、そうですか」
夏凛さんが電話を自分によこせと手を
振っていた。夏凛さんに受話器を渡す。
「もしもし私「NPD」所長の呑辺と申します
奥様?もしかして旦那様はその事に関して
何か動いているのではないでしょうか
旦那様の今までにない行動から
奥様が不安になられたんだと思いますが
旦那様は、何か計画を練っておられるのでは
ないでしょうか、調査員から色々聞いていて
私はそんな気がしました。
旦那様は、毎日会社まで歩いて通って
いらっしゃるとか、旦那さんは
毎日、毎日、雨が降っても雪が降っても
歩き続ける、家族のために、
そんな旦那様がご家族を裏切る訳がありません
ご主人の行動に不安になられたことも
分からなくは、ないですけど奥様のご主人に
限っては、ご安心されていいと思います
間違ったことは、されてないと思いますが
来月のその日まで様子を見られては
いかがですか?
私どもの報酬はその時で構いませんので
それにもし、今私の言ってる事が
万が一間違っていたら報酬の方は
一切入りませんので、来月のその日まで
奥様は、何も言わないで
待ってみませんか?・・・・・・
そうですか、ありがとうございます、
・・・はい、それでは失礼します」
「夏凛さん、報酬いらないなんて
言っちゃっていいんですか?」
「大丈夫だ、まあみてろよ、
今回は修羅場どころかハートマークが
いっぱいになるから」
この時は本当に心配だった。
しかし・・・
次の月のその日、旦那さんからのサプライズが
あったらしい、娘の10歳の誕生日と自分達の
20年目の結婚記念日、同日のその2つのお祝いで
旦那さんは旅行会社に勤めている
お姉さんに頼んで、娘が行きたがっていた
USJと自分達のための温泉旅行
同時に叶える為に、会社が終わった後に
アルバイトを探して休みも返上して
自分の給料では賄えない分を補っていたらしい
結婚10年目にしてやっと
授かった子が10歳、自分達が結婚20周年
この記念すべき日のために旦那さんが
密かに動いていたのだった。
そしてその5日後、奥さんがひとりで
「NPD」の事務所に
訪れてきた。
奥さんは夏凛さんに感謝していた。
旦那を信じられなかった自分が恥ずかしいと
泣きながら、夏凛さんにお礼を言っていた
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