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2 アストンマーチン・ヴォランテで
いざ猫飼い村へ
「缶助、どの車がいいんだ?
私とお前とりんちゃんが快適で
しかも早く行ける車を選んでくれよ
私は運転しないから、お前の好きなの
選べよ」
憧れのスーパーカーがところ狭しと
並んでいた。
中でも乗ってみたかった車
アストンマーチンのオープンカー
「ヴォランテ」
庶民にはまったく手が出ない車
でも、写真で見てから死ぬまでに一度
見てみたいと、思っていた車、
「夏凛さん、こ、これがいいです僕」
駄目元で言ってみた。
「ふ〜ん、一応4人乗りか、りんちゃんが
後ろに乗れるな、わかった」
そう言うと、夏凛さんが奥に消えていった
男性と一緒に戻ってきて
「後ろの席に犬を乗せたいのだけど」
「はい、かしこまりました。
少々お待ちください」
と言って後部座席全体に専用シートを
被せた。
「これで大丈夫でございます、お嬢様」
「ありがとう、あとあのNSXはここに
置いて行くから、これからこの車に
しますから、よろしくお願いしますね」
「かしこまりました、お嬢様」
「缶助、じゃあ行こうか。これからこの車が
『NPD』の専用車だからな」
「ヒョエ〜〜〜ッ見るだけで幸せなのに
これを運転出来るとは、
超、幸せです!夏凛さん」
「左ハンドルだから、何だか私が運転して
いるような気になるぞ、
さあ、りんちゃんを乗せてW爺さんに
会いに行こうぜ、缶助!」
事務所に戻り、宿泊の準備をして
りんちゃんにハーネスを付け後部座席片方に
専用ベッドを置き、もう片側に
キャリーケースを設置して、完了。
オープンにした時のためリードは付けた
ままにする。
時刻はまだ、10時前。早ければ夕方には
着くだろう。
夏凛さんが、猫飼い爺さんに
電話をかけた。
「おじいさん、私です。探偵の夏凛です」
「お〜っ!探偵嬢ちゃんか!村が見違えた
ようになったで、探偵嬢ちゃんの
爺様が、わしのところにあいさつに
来てくれたワイ」
「これから、そちらに向かいますので、
待っていてくださいね、
猫間のおじいさんも、お元気ですか?」
「お〜っ、元気に働いてるで、
ワシたちにも仕事が出来たで、助かってるよ、
待ってるで、き〜付けてな」
「はい」
「おじいさん、嬉しそうだったぞ、
何だか、声にハリが出てるような感じ
だった、お爺さまが、村の人達に
仕事を作ったみたい、喜んでた」
「それはよかったですね、生き甲斐として
お年寄りたちが頑張れますね」
「さあ、缶助!出発、出発!!」
「はい、それじゃ行きます」
首都高から関越、上越、北陸道と
高速を乗り継ぎ金沢へ。
距離にして400kちょっと時間にして
5〜6時間ってところだろうか
順調に行けば夕方にはつけるだろう
しかし、夢のような感じで、今僕は
「ヴォランテ」を運転している
最高の気分だ。NSXも凄かったけど
やっぱりこいつは最高だ!
途中りんちゃんのためのトイレタイムや
休憩時間を入れても、暗くなる前には
つけるだろう。
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