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3 猫飼い村の現状、幸運の白天狗とは?
「何ですか?伝わる話と言うのは?」
夏凛さんが聞いた。
「昔からこの山全体を守っている
白天狗様と言うのがいてな、
この村ができた時も、その白天狗様を
何人も村人が目撃したと言う話が
言い伝えられているんじゃ、
これといって危害などはないらしい
逆に、白天狗様が現れた後は、
村が栄えて行ったと聞いている。
白天狗様が姿を見せなくなってから
この村が段々と寂しくなって来て
そして、あの事件が起こったんじゃよ。
その白天狗様が最近また目撃され
出したんじゃ、白天狗様が、現れると
村にいい事が起こる。
しょっちゅう目撃されていた頃の
村人達、猫達は長い間幸せに暮らして来た
だから、この村では白天狗様は幸運の天狗様
と昔から祀られて来たんじゃよ」
「白天狗ね〜」
ひとことそう言って夏凛さんが、副所長を
見つめ何か考えているようだった。
「どうしたんですか?夏凛さん」
「いや、何でもないよ」
「そったらとこで、話してねえで
家ん中入れ」
おばあさんが、土間から顔を出して
手招きをしていた。
ヴォランテのルーフを閉めると
w爺さんが驚いている。
「すっげえなぁ!今の車は!屋根が
出たり入ったりするのけ!
007だなや!これは!」
副所長は、キャリーの中でおとなしく
横になっている。
久々の再会で夜はまた美味しいどぶろくで
乾杯をした。
夏凛さんも、お土産として日本酒3本ずつ
美味しい牛肉をw爺さんに買ってきた。
「そういえば、あんちゃんはどうした?
おめたち、一緒になったんでねえのか?」
「かっちゃんは、仕事でアメリカに行きました
私は缶助と探偵業をやっていくと決めたので
別れました、元々アメリカには
行く気が無かったので」
「缶ちゃんは、探偵さんより農家のほうが
合ってるんでねえか?」
おばあさんが、僕に言っていたが、
返事に困ってしまった。
(笑って誤魔化す)
「どうですか?お客さまは来てますか?」
「もう週末は、えらい賑わってな、
銭湯も、土産屋も繁盛してるでな
村の年寄り達も元気に働かせてもらってる
ありがたいこった、
うちのせがれたちも、様子を見て
ここに帰って来ようかな、なんて
言うもんだから、
『調子いい事いってんじゃね〜』
と怒ってやったで」
「私のお祖父様もここを一年を通して
お客様が訪れることができるように
したいな、なんて言ってましたので
村の人口が増加すればもっともっと
住みやすくなりますよ」
「そうなりゃ、いいの〜〜」
「ところで、その白天狗様はどの辺で
目撃されたんですか?」
「役場跡に建てられた温泉宿泊施設の屋根
の上で2〜3回目撃されちょる」
「月明かりに、その真っ白な身体が
見えて手には天狗のうちわを持って
鼻が長かった、と言っていたな
わしたちは見たことないがな」
「しかし、わしたちにも出来る仕事を
頂けたんだから、探偵嬢ちゃんが
わしたちの白天狗様じゃよ、なあ利ちゃん」
「ほんまじゃ、ほんまじゃ!
探偵嬢ちゃんがわしたちの白天狗様じゃて」
「いやだわ、おじいさんったら、
それと、あの沢山いた猫たちは?」
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