First Day of our Life

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First Day of our Life

 陸が運転する車で陽一は、身の回りの物を直人の家に運び入れていた。 「陽一、これで最後だと思うぜ。もう車ん中には何にも残ってなかった」 「陸、うん。これで全部だよ、サンキュ」 「たこ焼き器まで持ってきて、陽一の母ちゃん必要ないのか?」 「あ、うん、多分。たこ焼き作るのいつも俺だったし」 「陽さんっ、持ってきて貰ったのは全部台所に入りました」 「引っ越し終わりだな。じゃ、蕎麦食おうぜ」 「蕎麦ですか?」 「引っ越し蕎麦? それって近所に配るんじゃなかったっけ?」 「そうらしいけど、俺達で食えって母ちゃんが持たせてくれた」 「丁度腹も減ってきたところだし、さすが陸のお母さんだね」 「おお」 「じゃあ、お湯沸かしてくる」 「じゃ、僕はテーブル用意します」 「温かい汁蕎麦でいい?」 「おう、陽一の出汁すっげぇ旨いんだぜ」 「そうなんですか! 楽しみです」  陽一と直人が初めて身体を重ねてから数日後、陽一は直人の家で暮らす事になった。かなり急であったが、陸を始め特に不思議がる者もおらず、二人の同棲生活が始まったのだ。  引っ越しの手伝いを終え、蕎麦を堪能した陸は、簡単に二人に祝福を告げた後、帰路に着いた。  玄関先で陸を見送った陽一と直人は、家に入ると一息をつく。 「竹ノ内先輩が手伝ってくれたお蔭で、アッという間に片付きましたね」 「うん。ねぇ、直、あの部屋本当に使ってもいいの? 俺の荷物少ないし廊下にある棚とかで十分だよ」  陽一は、玄関から吹き抜けの2階を見上げる。 「あの部屋は客用だったんですけど、父さんが死んでからお客なんて来ないし、陽さんに使ってもらえる方が嬉しいです」 「じゃあ、遠慮なく使わせて貰うね。ありがとう。あっでも寝るのは直と一緒がいいな」 「僕ももう一人で寝たくないです ・・ラッキーにも僕のベッド、ダブルだし、へへへ」 「だね~」  陽一は隣で顔を赤くしながら、はにかむ直人の肩を抱き寄せると唇を重ねた。 「初めて直を抱いた日から、ずっとドキドキしてる。直がイクのすっごく可愛かったからね」 「よ・・うさん。僕、恥ずかしい」  直人は頭から蒸気を上げ両手で顔を覆うと、陽一はいつものように直人の頭を撫でる。 「これからも沢山見れるなんて、俺は幸せ者だぁ」 「僕も ・・陽さんにまた抱いて貰えるなんて、世界で一番の果報者です」  直人は顔を隠したままで、そう告げると、陽一が直人の手を取ろうとする。 「顔、きっと真っ赤だから ・・まだダメです」 「え~ キスしたいのになぁ。同棲初日すっごく楽しみにしてたんだよ」 「ぼ、僕もです!」  直人が顔から手を放した隙に、陽一は直人の唇を奪うと強く抱き寄せた。 「直、大好きだよ ・・いや、好きじゃ足りない ・・愛してる ・・直、愛してる」 「陽さん・・ 僕も陽さんを誰よりも愛しています ・・これからもずっとずっと・・」  陽一は、直人の顎を上げると自身の唇を直人に軽く重ねた後、舌を絡ませる。 「ンっ プハぁっ ・・陽さん」 「一緒に風呂に入る? ってのは、まだ早いかな?」 「あ・・はい。まだ・・恥ずかしいです」 「でも、尻を綺麗にするの大変だよね?」 「え? 全然大丈夫です ・・ご・・ご心配には及びません」 「アハハハ、直って本当に可愛いィ」  陽一は直人を再び強く引き寄せると、お互いの心臓の鼓動が波打つのを心地良く感じた。 「直、今日からどうぞよろしくお願いします」 「はい・・こちらこそよろしくお願いします」  二人は顔を合わせると口づけを交わした。  陽一が風呂から上がってくると、先に済ませていた直人がリビングで待っていた。 「直、お風呂ありがとう」 「ありがとうだなんて。陽さんもここの住民ですよ」 「そうだね。じゃあ良い湯だった ・・かな?」 「アハハハ。何か飲みますか?」 「あ、いいよ自分でするから」 「僕も飲みたいから、座っててください」 「誰かに飲み物を入れてもらうなんて、慣れてないから・・なんだか緊張する」  直人は、いつも一人で台所に立つ陽一の姿を想像すると、胸が締め付けられた。 「はい、お茶」 「あ、ありがとう」  直人はソファに座る陽一の隣に腰を下ろすと、陽一が持つグラスに自身のを重ねる。 「僕達の同棲を祝して ・・乾杯! ヘヘヘ」 「直、うん。乾杯!」  二人は同時に茶を口に含むとニコリと笑い合い、グラスをテーブルに置くと直人が陽一にキスをした。 「陽さん ・・僕すごく幸せです」 「直・・ 俺も幸せだよ」  今度は陽一から直人の唇に自身のを合わせると、1つずつ直人のパジャマのボタンを外していく。 「ベッドに行く?」 「ンっ、ここでいいです」  直人が応える間、陽一は彼の耳元を舌で愛撫する。 「ソファが汚れちゃうよ」 「アっ、だい・・丈夫です。タオル敷いたしジェルも用意しました」 「本当だ・・ 準備バッチリだね」  陽一は、スイッチが入ったように直人の首筋にキスを降り注ぐ。 「ンっ、んんん、陽さん・・」  陽一は、直人のパジャマのボタンを下まで外すと開けた胸元に手を入れる。 「あっっ」 「直の乳首もう立ってる」 「だって、ンっ ・・そんな風に触られたら、あっ」  隣に座る直人を陽一の膝上に座るように促した陽一は、直人のパジャマを肩から脱がし、乳首に吸い付くと舌と指の両方でいたぶり始める。 「ンンっっ、あっ」  身体が火照りだしたところで、直人の蕾に指を当て入口に刺激を与える。 「・・あっ、ンッ、陽さん?」 「何?」 「いじわる ・・早く欲しい」  紅色に頬を染めた直人に妖艶な眼差しを向けられた陽一は、湧き上がる欲情に鼓動が一層速くなったが、直人への気遣いを優先させる。 「でも、ここ痛くない? まだ3日くらいしか休ませてないよ。だから今日は・・」 「大丈夫です ・・毎日ちゃんと清潔にしてるし ・・痛くないです」 「直 ・・無理だけはしないでね」 「はい」  直人がコクリと頷くと彼の舌に陽一の舌が絡み合う。そして、陽一はアナルの入口に添えてあった指に、ジェルを付けるとユックリと直人に入れていく。 「アっ、ああっ、ンっ」  陽一の指がクルクルと回りながら奥深くに辿り着く。 「はぁっ、ああぁっ」 「柔らかいね ・・ちゃんと解したんだ」 「あっ はい ・・だって陽さんの欲しいから、はぁっ」  陽一が指を2本に増やすと、直人は陽一の膝上で首を仰け反り天井に吐息を吐く。 「ンっ、もうください・・ 陽さんのおっきいの挿れて、おねがい・・ アアっ」  陽一は膝に乗る直人にコンドームを渡すと、自身の下着を下にずらす。 「付けれる?」 「え? あぁっ ・・はい。やってみます」  直人はコンドームを受け取ると、勃ち上がる陽一の男根に手を添え上下に動かした。 「ンっ」  直人が陽一のペニスを扱くごとに、直人の中にある陽一の指に力が籠る。 「アッ、陽さんっ、ダメ、はぁっ」  陽一を求める直人は急いでコンドームを陽一の性器に取り付けようとするが、初めての経験に戸惑ってしまう。 「陽さん、ダメっ、そんなに攻められたら、コンドームを付けるのに集中できない・・ アアアっ」 「向きはあってるよ、そのまま指でこうやって下に・・」  コンドームを持つ直人の手をサポートすると陽一のペニスにゴムがすっぽりと被さった。 「直、腰を浮かせて」 「あ、はい」  陽一は、直人から指を取り出すと自身のペニスに右手を添え、左手は直人の腰を持つ。  直人は、陽一に言われた通り膝を使って尻を少し浮かせると、陽一がこの先求めることを理解したように彼のペニスの上に自分の穴の位置を合わせた。 「ユックリと下ろそうか」 「はい ・・アっ」  陽一の膝上で色っぽく善がる直人を瞳に映した陽一は、彼を欲する思いに耐えながら優しく直人のアナルに自身の硬くなった性器を咥えさせていく。 「アっ、ああっ、もう少し ・・ンンっ」  直人は身体を捩ると陽一のペニスを全て飲み込んだ。 「直、痛くない?」 「大丈夫・・」 「じゃあ、動くよ」 「はい」  陽一は、直人の腰元を両手で掴み自分の腰の動きに反比例させると、直人の奥深くを突き上げる。 「あっアアアっ、はぁっはぁ、陽さん ・・愛してる ・・ああッイイっ、すごくイイっ」 「はぁはぁはぁっ、直、イイよっ、俺も、愛してる ・・んんっ ・・はぁっっ」  陽一は、直人の上体を少し後ろに反らせると、彼の下半身を自身に強く引き寄せる。 「あァぁっ、うぅっ、んんんッ ・・イイッ 陽さん ・・いいっ あっアァァ」    陽一は、腰の上下運動を速めると一層強く直人の尻を自身に吸い寄せた。それに対して直人も自身の腰を左右前後に小刻みに動かしながら快楽の頂点を求める。 「んんんっ、もうダメっ、それ以上強くしたら・・ああァっイっちゃう、だめッ、はぁっ、はぁっ、陽さん ・・ああぁぁっ」 「直、直、はぁっ、はぁっ」  直人は反っていた上体を起こすと陽一の舌に自身のを絡みつかせ、陽一を絶頂させるごとく膝の力で腰の動きを速めた。  ソファが二人の動きに激しく揺れ、リビングルームに甘い吐息が充満する。  ディープキスをする直人の腕が陽一の首回りに縋り付くと、陽一は直人を乗せたままでソファに仰向けに寝る。直人は絡めていた腕を解き騎乗の体位になると、上から陽一に艶めかしい目線をおくる。 「あっ、イイっ、でもダメっ、もう出ちゃう ・・陽さん、ああァァっっっ」 「直、俺もイきそうっ、はぁっハァッ、はぁっ」 「陽さん、アアッ、イっちゃう、あっダメ、もうイクっ、ああっっ」 「はぁっハァっ ・・俺も、直っ」 「陽さん ・・アアアっっつ、イクっぅ、んんっ、イクっ、ああっっ、イクっっ」 「直、んんっっ、俺も ・・んっ」  反らしていた直人の身体は頂点に達した途端、陽一の胸元に崩れ落ちると、呼吸の荒くした陽一が直人の背中に手を回した。 「はぁはぁっ、はぁっ」  二人の絶頂で熱せられた空気が、未だ押し寄せる余韻で酸素を更に薄くする。 「はぁっ、んっ、はぁ、直がイクとこ本当に可愛い ・・それに直の中は最高だよ」 「はぁっはぁ、陽さんも凄いです ・・気持ち良すぎて怖いくらい」 「なら良かった ・・直、愛してるよ」 「僕も愛しています」  二人はソファの上で抱き合う力を強くすると、ピタリと身体を寄せ合った。
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