Ignoring the Pain

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Ignoring the Pain

 久し振りに訪れた実家で、初めて会った父親の結城亮平に心を喰いちぎられ、塞ぎようのない大きな穴が開いた心情の陽一は、何とか家に辿り着いていた。 「陽さん、おかえりなさい」 「直・・ ただいま」  放心状態の今の陽一には、直人の笑顔は眩し過ぎたため一瞬目線を落としてしまう。 「お母さんお元気でした?」 「うん」  靴を脱いだ陽一は視線を下に向けたたままで応える。 「それは良かった。話って何だったんですか?」 「えーっと、何だったっけ」  実家であった出来事を全て記憶から削除したい陽一は返答に躊躇してしまう。 「まさか忘れちゃいました?」 「あ、うん。大した話じゃなかったと思う」  嘘をついた自分に吐き気がした。 「えええ? でもなんか陽さんらしい、アハハ」  無邪気な直人の笑顔に胸が締め付けられた陽一は、直人を強く抱き締めた。 「陽さん?」  直人を抱く腕に力が入り一生手放したくない温もりだと全細胞が叫ぶ。 「どうしたんですか?」  陽一は噛みつかれた心の痛みを悟られないように小さく深呼吸をした。 「直、また逞しくなった? 俺も筋トレとかしないと直を抱く時、恥ずかしいね」 「え? そうですか? きっと陽さんの手料理のお蔭です」 「そうだといいけど。部活頑張ってるのかなって」 「そう言えば、成宮先生が最近腕立てとかバカリさせる」 「成宮って筋肉フェチだからね」 「そうなんですか?」 「成宮の裸見たことある?」 「え? 陽さんはあるんですか?」 「うん、すごいよ」 「そんな・・・・」 「え?」 「成宮先生と陽さんって・・」 「あっ! 違う違う、バスケ部で海に行った時に見ただけ。俺と成宮がそんなわけないよ」 「良かったぁ~ 僕バカですよね ・・ごめんなさい」 「ううん。そんな直だから俺は愛してるんだよ」 「えへへへ。僕もお母さんの話を忘れてしまうような陽さんを愛してます」 「だなー。直、風呂ってもう入った?」 「あ、うん。学校から帰った時に、バスケで汗かいたから」 「そっか・・久し振りに一緒に入りたかったな」 「! 僕も入りたいです。家に帰ってからアトリエに籠ってたらまた汗かいたし」 「そう? じゃあ一緒に入ろ。背中洗ってあげる ・・もちろん俺の好きな穴もね」 「・・・・はい、おねがいします・・」  直人は顔を真っ赤にさせると陽一の胸元で応えた。  バスタブの中に入るや激しいキスの嵐を降り注がれた直人は、息が出来なくなり風呂の湯で溺れてしまいそうな感覚に陥る。 「んんっ プハァ~ はぁはぁ ・・陽さん、今日はどうしたんですか?」 「え?」  風呂でのぼせたのか、それとも陽一のキスに酔ったのか、直人は頭がクラクラすると目をトロンとさせる。 「いつもよりも激しいです」 「こんな可愛い直と久々のバスタイム、激しくならない方が変だよ」 「陽さん・・」  直人は嬉しさのあまり陽一の肩に抱き着くと、陽一はそのまま直人を持ち上げ一緒にバスタブから外に出た。そして、直人を小さな椅子に座らせる。 「直の顔真っ赤。ちょっとのぼせちゃったかな? 大丈夫? もう出ようか?」 「大丈夫です。もっと陽さんと ・・お風呂でいちゃいちゃしたい」  直人の可愛い発言に陽一は亮平の言葉が突然蘇ると、膝をついて直人に抱き着いた。 【どうか・・俺達を引き離さないでください】 「陽さん?」  陽一は唇を噛み締めると、直人に動揺を読み取られないように無理やり笑顔で演じる。 「直は、可愛過ぎる。俺を煽ってるの? 背中を洗ってあげようと思ったけど我慢できそうにない」 「アっ、ン」  陽一は直人の首筋に強く吸い付きながら、両手で直人の乳首を弄る。 「風呂で血行が良くなってるから感じやすい?」 「う・・ん、アッ、んッ、ハァ、アッ」  直人の乳首が陽一からの刺激でどんどんと起き上がる。 「直、立って」  陽一は直人の腰に手を当てると彼を立ち上がらせた。 「アっ、ンっ、いきなりダメぇっ、アアア」  直人のペニスを咥え込んだ陽一は右手の中指で直人のアナルも同時に攻める。 「あっあああっ 陽さん、ダメ、そんな事したら、ンっアアあっっ 僕直ぐにイっちゃう」  直人は陽一の頭に手を置くと彼の口をペニスから引き離そうとするが、陽一は逆に速度をつけ時折強く突起を吸いつきながら、激しく直人の性器を扱いた。 「アっあああッ ダメっだめぇっ 陽さん アアアっ、もう離して、出ちゃう」  直人は快感のあまり座り込みそうになると、陽一の頭に置いた手に力が入る。 「陽さん 陽さん いやだっ イっちゃう 陽さんの口の中で出ちゃう あああああっっっぁぁぁっ」  陽一の口の中で直人のペニスがドクドクと激しく脈を打つ。 「はぁっはぁっ」  直人の性器が陽一の口から解放されると同時に、直人は座り込むと両手で顔を覆う。 「ハァハァ、ごめんなさい。僕、また陽さんの口の中で・・ 陽さん今度も飲んじゃうし」  陽一は自身の口の周りを親指で拭くと直人と同じ高さに座る。 「毎回そんなに謝らなくていいから。それに直だって、俺にしてくれるよね。俺達が愛し合ってる証」 「陽さん ・・そうですね。じゃあ今度は僕の番です」  直人は顔を上げると前に座る陽一の股間に飛びついた。  陽一は両脚を伸ばすと、自分のペニスの根っ子から亀頭までを上下に繰り返しキスをしたり舌で舐める直人の髪に触れる。 「ンっ、直、上手になったね、ヤバイよ、んっアっ」  次に直人は全てを頬張ると、直人の唾液と陽一のカウパー液が混ざり合う音がバスルームに響き渡る。 「ンンんッ 直、俺をイカせる気? 俺は直の中がいい、アっ、ンンッッ、直、直っ」  陽一が直人を攻めた時と同じように、直人も喉の奥まで咥えると強弱を付けて不規則なリズムで上下運動を続ける。 「直、アアっ、イイっ、俺もうイクよ、いいんだねっ、ンンンっつ ハァッつ アア、イクっ、イクッ、直っ アアっ」  陽一は目をギュっと瞑り直人の髪を触っていた指に少し力が入ると、直人の口中で果ててしまう。 「ハァハァっ、直にイカされちゃったよ、お返しかな、はぁはぁっ、参ったな」  直人は満足気な面持ちを上げゴクリと精子を飲み込んだ。 「直、心から愛してる」  陽一は前屈みになると直人の頬を両手で包み込み優しくキスをした。 「陽さん・・ 愛してる」 「じゃあ、今度こそ背中洗ってあげる」 「あ・・はい」  陽一は直人を前に座らせるとスポンジをボディソープで泡を立てる。 「直、やっぱり少し逞しくなったよ。綺麗に筋肉がついてる」  陽一は、直人の背中を洗いながら愛しい眼差しで見つめると背後から抱き締めた。 「陽さん?」 「今度は前も洗わないとね ・・ずっとこうしていたいな」 「はい。これからも沢山一緒にお風呂に入りましょうね。毎日でもいいなぁ」 「うん、そうだね。毎日入りたいね・・・・」 【俺はこの幸せを手放すのか・・ そんなことが出来るのか・・】  抱き締めながら直人の胸元を洗っていた陽一の手が止まる。 「陽さん?」 「え? あっ、これで直人を十分泡アワだらけにしたかな」  陽一はスポンジを放すと石鹸で滑りのよくなった直人の胸元を背後から両手で揉み始める。 「アっ」  直人が肩越しに顔を後ろに向け陽一からの口づけを待つと、陽一が期待通りに応えてくれた。 「プハァ、あッっ、ンっ、陽さんっ」  既に敏感になっている乳首を再び弄られると、急速に快感の波が押し寄せる。 「あっ、気持ちいい ・・陽さんっ んっ」  直人の脊髄が、硬く反り上げた陽一の性器を察知する。 「陽さんのが欲しい ・・挿れて ・・お願い」  陽一は直人の股間に触れると、彼も自分と同じであるかを確かめた。 「直、バスタブに手をついて」  直人は、言われた通りバスタブに手をつき四つん這いになると自然と腰が反ってしまう。そして、ヒクヒクとさせた直人のアナルが陽一の性器の到来を待ち受ける。 「ンっアアっ 陽さん あッ そこ」 「ここ?」 「アっ、うん、そこイイ、あああっつ、アっ」  陽一は既に柔らかくなっている直人のアナルに、右の中指と薬指を同時に入れると快感スポットに刺激を与え続ける。 「ダメ、陽さん、早く ・・ンっ お願い ・・陽さんの硬くておっきいのちょうだい」  直人は後ろを振り返ると、潤った瞳を陽一に送り彼の欲情を駆り立てた。 「あっアアア いい、陽さんの入って来る、嬉しいっ ああっっっ」 「ンっ 柔らかいから奥まで直ぐに辿り着くよ。んっんんッッ、はぁっはあ」 「はぁっ あ、奥に当たる アアアっっ そこ、あッ そこっ 陽さん、気持ちいい」  陽一は、直人の中心まで入り込むと、ゆっくりと腰で波をおこし始める。 「ンっ ああっ直の中、温かくて絞まってる、んっんっ アア、気持ちいいよ」  陽一は直人の背中にキスをすると彼の乳首に手を回す。 「あっ、陽さんも気持ちいの嬉しいっ、んんんっ いいっ、陽さんっ アアアっっ」  陽一は、喘ぐ直人の唇を背後から奪うと、激しく舌を絡ませながら、ピストン運動を加速させる。 「プハァ、はぁっ、はぁっ 激しいっ 陽さんっ アアアっ」 「痛い? 大丈夫?」 「痛くないっ あっぁぁ、気持ちいいっ、アアアっっっ はぁはぁっ」  直人も陽一の動きと合わせるように腰を激しく振る。 「はぁっ、はっはぁっ、直、愛してる、君を離さないっ、この身体はずっと俺だけも者っ、んんっ」 「僕も愛してるっ、陽さんから一生離れないっ 何があっても離さないでっ アアっ、陽さん、あああッッぁ、僕もう、ああっ」  陽一は、バスタブに手を付いていた直人の上体を起こすと、自分の片足をバスタブの淵に乗せ下方から直人を突き上げた。それと同時に直人のペニスも扱き始める。 「アアアッ、ダメ あああっっ そんなことしたらダメっ」 「ダメ? じゃあ止める?」 「違うっ、でもっ アアアアっあッ もうっ出ちゃうっ イっちゃう、アアアっ」 「直、俺もっ もうすぐイキそうっ んんっ 直っ はぁっはぁっ 直」 「陽さん、ダメっエ、 アアアっ 僕もうダメっ イッちゃうっ」 「俺もイクっ、直、はぁはぁっ はぁっはぁっ、ンンンっ イクっ いくッ 直」 「陽さんっっ、今日は中でちょうだいっ、おねっがいぃっ、あっアアアアアっ イクっ、イクぅっ アアアっあああっっっ」 「分かったっ、じゃあ、中で出すよっ、はぁっはぁっ 直、出すよっ、イクっ んんんっっ」  直人のほぼ無色の精液が湯舟の中に放たれるのと同時に、陽一は直人の中に噴射する。 「はぁっはぁっ」 「はぁっはぁあ」  二人の開放感が湯気と共にバスルームに充満した。 「ごめん。中で出しちゃった。腹が痛くなったらダメだから、後でちゃんと掻き出そうね」  陽一は自分の腕の中で項垂れる直人の肩越しに告げると、直人がクルリと身体を回転させ陽一の胸元に収まる。 「陽さんの全てを身体に保管した気分です ・・だから嬉しい」  直人の健気な態度が、今の陽一には心に負った傷口に塩を塗られたようで息が詰まりそうになると、直人を今まで以上に強く強く抱き締めた。
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