Spot Light

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 8年振りにまた共に生きて行けるようになった陽一と直人の邪魔をしたくなかった陸達だったが、結局そのまま陽一宅で、彼の快気祝いを行う事になり圭も誘われた。  直人を紹介する良い機会だったため美沙の家族や柏木等直属の部下も招きたかったが、省吾が殺人未遂で逮捕されたため極少数で祝う事にした。  陽一と直人の関係を昔から知る陸達は、寄りを戻した二人に対して、喉に詰まっていた異物がやっと取れた気分でいた。  美沙と圭には、陽一達の過去を知る良い機会となり、心から二人を祝福した。  また、美紗は直人が陽一のために部屋やバスルームを改装していた事に感動し、陽一の行く末が安泰だと確信したのだった。  直人への想いを未だ引き摺っている圭も、陽一と一緒になる事が運命だったと、二人の様子から感じ取ったのだ。  陸達が去り静けさを取り戻したリビングルームで、車椅子の陽一と向かい合って直人がソファに腰掛ける。 「皆に祝って貰えて ・・僕本当に嬉しいです」 「うん。皆が俺達の事を凄く心配してくれてた事に驚いたよ。有難いね」 「はい、それに美沙さんが僕を受け入れてくれて、力まで貸して貰えて心強いです」 「田所さんにも認めて貰えたみたいで良かった・・ でも」 「でも? どうしたんですか? 圭が余計な事を言いました?」  少し悲しい表情の陽一を気遣うように、直人は彼の膝に手を置く。 「否、そうじゃないよ。ただ俺は彼がしていたみたいに直を満足させられないから」 「満足? 満足ならもう沢山しています。こんなに幸せな気分は8年振りです」 「・・・・」 「陽さん?」 「動かないのは左脚だけじゃないかもしれない ・・さっきあんなに直とキスをしたのに、ここが反応しない」  陽一は悲しい目付きを自身の股間におくる。 「陽さん! 僕言いましたよね? 僕の愛しているのは陽さんの魂だって。だからそんなの関係ありません。それに陽さんのアソコが無くなったわけじゃないのだから、触る事は出来るでしょ? それだけで十分満足です」 「ごめん・・」 「退院早々に色々あって疲れたでしょ? お風呂一緒に入りましょう。傷口には大丈夫ですか?」 「う・・ん。ごめん、でも手伝って貰わないと入れない」 「もう二度と謝らないでください。もし僕達の立場が逆だったら、僕の世話をするの嫌ですか?」 「そっそんな事ある訳がない」 「だったら、僕も同じです」 「でも俺は年上・・んっ」  話を続けようとする陽一の唇を直人ので塞ぐ。 「こうやってキスが出来る ・・それだけで本当に幸せですから、もっと甘えてください」 「う・・ん、有難う」 「はい」  直人がバスルームを改装したお蔭で、陽一は何とか一人でバスタブに身体を沈める事が出来た。 「凄い、これだったら俺一人でも大丈夫だ。直、有難う」 「ちえっ、こんな完璧にするんじゃなかったな~ 僕のヘルプが必要ないなんて、ちょっと寂しい」  直人は口を尖らせながらも嬉しい顔をする。 「直が居なきゃ車椅子を風呂の外に出せなかったよ」 「へへへ」 「直、これなら直を満足させられるかな? 俺の指なら動くからさ」 「陽さん・・まだ言ってるんですか?」 「だって、久し振りに直のエロ顔とイクところが見たい」  直人は頬を赤く染めると、バスタブの中で椅子に座る陽一の膝上に、足を広げて乗ると彼を抱き締めた。  すると、すかさず陽一は人差し指と中指で少し開いた直人のアナルの入口を揉み解し始める。 「ここ最近も使ってた?」 「全然です・・」 「良かった・・ごめん。嫉妬するなんて恥ずかしいね」 「陽さん ・・んっ ・・嫉妬して貰えて嬉しい ・・ハァ ・・陽さんの優しい指の感覚 ・・ずっと恋しかった ・・アっ」 「俺もだよ ・・ずっと触れたかった ・・ここが好きだったよね」  少し解れだしたアナルに陽一の中指が少しずつ侵入する。 「あっっ、 そこ好き ・・はぁっぁっ 陽さんの指・・」 「俺の指すっぽり吸われちゃったよ・・ 可愛いね、直」 「ああっっ、そこっ、良い、ハァっ、んッ」 「ここだよね」 「あああっ、はぁぁあ、うんっ、ソコっ、ああっっ、陽さんの指優しくて気持ちいい、んんっ、はぁ」 「直・・愛してる」  愛の言葉を告げられた直人は陽一と目線を合わせると軽く唇を合わせ、徐々にお互いの舌を絡ませる。 「プハッっ、陽さんの舌 ・・ああっ、陽さんの全ては僕のモノです ・・んっ、はぁっ、ああっっ、そこっ」  陽一は直人のペニスを左手で上下に動かし始めると、アナルと同時に攻める速度を速めて行く。 「あっ、ダメ ・・一緒にしたら、んんんッっ ・・えっ? ・・陽さん!!!」 「直 ・・俺のが反応してる」 「はい! 陽さん ・・良かった ・・これで一緒に悦べるかもしれない・・」  直人は少し涙ぐむとユックリ浮かせた腰を陽一の元に下ろしていく。 「んっ・・入ったよ、もう直ぐで奥に、んんッ」 「あっ・・ 僕のずっと待ってたから ・・イイっっ はぁはぁ ・・陽さんのだ ・・ああ、嬉しい ・・僕嬉しい」  直人は悦びのあまり陽一の首に手を回すと、肩に顔を埋める。  陽一も奇跡的に自分の性器が復活したことに胸が一杯になると、直人の腰に手をあて浮力を使って直人の身体を上下に揺らす。 「んんんっっ ・・ああっと、気持ちイイ ・・陽さんの硬くて大きいのが ・・イイっ、んっっ、あぁっ、イイ、陽さん、愛してる」 「直の中も凄くイイよ。温かくて締まってる。ずっとずっと抱きたかった、直の中に入りたかった ・・んっ、はぁはぁ、良かった、んっ、はぁぁ」  バスルーム内に湯の撥ねる音とバスタブから溢れる出る音が、二人の甘い吐息共にカルテットを奏でる。 「はぁっ、ハァっ、陽さん ・・僕、ああっ、んっ」 「直、直・・ はぁっ」  陽一は更に高く直人を持ち上げるとリズムを付けて自身のペニスにすっぽりと落とす。直人も陽一に預けていた身体を後ろに少し反らすと、バスタブの淵と陽一の肩を掴み、陽一の奏でるリズムに合わせて尻を上下させる。 「んんっっ、陽さん ・・ああっっ、ダメ、もうイッちゃう ・・陽さん、はっはぁ」 「直 ・・俺もイクよ ・・もう直ぐ出そうっ、んんっっ、はぁはぁ」 「一緒にイキたい ・・あああっっ、イキそう ・・良い、ああっ、イクぅっ、イクっ、あああっっ、んっんっ」 「直、俺も、もうイクっ あっんんんっっ、イクっイっ・・ はぁはぁはぁ、んんっっ」  直人は仰け反っていた身体を陽一の肩に戻すと、未だ治まる事のないエクスタシーに酔いしれる。直人の身体の重みを感じながら陽一も同様に、8年振りの絶頂感と悦びに心が満たされた。 「奇跡だよ ・・直とまたセックスが出来るだなんて。本当に・・」  直人は少し身体を起こすと、自分の胸に顔を埋める陽一の少し濡れた柔らかい髪を撫でた。そして、顔を上げた陽一にキスをする。  バスルーム内の湯けむりが二人を包み込むと、白く輝くスポットライトを浴びたステージ上に居るように映った。
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