浮かばない頭で

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"トントントン" "トン…トントン…トン…トン…" 「んー……だめだ、、っ!」 用紙が黒い点でいっぱいになりそうだ トントントンと怒りかのようにペンを打ち付ける 用紙がいう、痛いと 「そんなの、書かれてる時点で痛いだろう」 そりゃ、引っかかれてる気分だ 「よし、力を入れずにヘラヘラっと書いてやろうか?」 なんの真似だ?擽ったいからやめろ 「なぁ、知恵を貸してくれよ」 私に?ただの紙だぞ? 「紙でもなんでも、今までの記憶くらいあるだろう?」 あるわけない、私は1枚の紙 それもまだ1文字も書かれていない 「………」 ……あるとすれば、右上の点々 と、早口で用紙は付け加えた 「…はぁ。こう、これってものは浮かんでるんだよ。 でもなんだろうな、こう文字は浮かばない」 溜息をつきながら、僕はいう 「君にわかるかな?いや、わからないか…んー」 僕は頭を抱える 言いたいことは分からないけど、 ひとつだけわかるよ そら、そこにある辞書がいってた、 君がここ数日イライラしてるってね 「そうさ、辞書を意味もなくパラパラと開き、考えた そして、僕は辞書に向かって言った。 なにか知恵はあるか?って」 なんて言ったと思う?と僕 さぁ?と用紙 「あなたの様子は、とてつもなく怒っていて、大人しめがなく、今にも爆発しそうだって。 あいつは頭が硬いよ」 まぁ、辞書だしね。そんなもんじゃない? 「お前は薄情なやつだな」 まぁ、薄い紙だし。……ねぇ、ひとつきいてもいい? 「なに?」 なにに怒ってるの?? 「………そりゃ、自分だ。 物語が書けない僕なんて終わりだ! そうさ、辞書と紙と会話しちゃうくらい頭イカれてて、 そんでもって、それに八つ当たりしてる。 飛んだ頭おかしいヤツさ。……いや、ごめん」 僕は椅子にどかっと座った ごめん、もうひとついいかな? 「なに?」 悩むのもわかるけど、明日って言う日もあるじゃない? 「あぁ、あるさ」 じゃぁ、明日にしようよ 「…さっきの発言は撤回しよう。お前、いいやつだな」 知ってる。こうゆうの、情に厚いっていうんだろ? 辞書が言ってたと用紙が意気揚々に言う 「僕からもひとついいかな?」 なに? 「ここに何本もの酒瓶がある。 明日になったら僕はどうなってるかな?」 酒瓶がいう。 こいつ頭クルクルパーさ、アヒャヒャヒャ!! 「だまれよ」 あー、…多分だけどクルクルパーマはなおってると思う と、用紙 「あー、これ?これは生まれつき。なおらないの」 そいつは、残念だ 「あー、やっぱり今書かないと」 まぁ、いいんじゃないかな、そうゆう日もあるって 「でも、酔いが冷めちゃうだろ」 と言いながら、辞書を触る まだ、寝ないのかい?もう少しで3時だ。 何時まで起きてるつもりだ?だいたい君はいつもいつも… …パタン #&¥$☆△!?!? 辞書が苦しそうだよ、と用紙 「わかってる」 もごもご言うそれ 僕が辞書を開くと、それは話し始めた 突然、閉じるとは何事か? 「あー、しゃべってた? なんか硬いことが聞こえたから驚いてさ、こいつは失敬」 またそうやって君は……パタンっ#&¥$☆△!?!? 「やっぱ、今のはなしで」 Hey!俺をもう一杯どう!?アヒャヒャヒャ!! と何故か爆笑の酒瓶 「そいつはいいな」 Hey!ぐいっといっちゃってー! 「……頭に響くから、やっぱ黙ってくれない?」 おい、それはねーよアニキィ… えー、と酒瓶 「んっんっ、…ねよーかな」 咳払い、ひとつ。 こんな頭で書くものじゃないな、これはボツだ はぁーぁ、と僕は布団をひく まぁ、そんな日があっていーよね、と用紙 サラサラっ…ペンがちゃっかりサインした 酔っ払ってるから分からないさと、言いながら。
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