部室に残る天気雨

2/10
前へ
/10ページ
次へ
僕が男声合唱部に入ったのは他でもない、玲音(レオ)先輩がいたからだ。 高校3年時、大学の文化祭に来たときに部活動の紹介があって、先輩のいる男声合唱部が歌声を披露していた。 正直、これはモテない男の集まりだなと感じた。1年生から4年生までほぼ全員が黒髪短髪でヘアセットも特になし、小太りの人が多く眼鏡率も高くてオタクのオフ会ですか、という集団だった。残念ながら、僕はの偏見がそのまま具現化しているような見た目だった。 テナーとかバリトンとか4つのパートに分かれているものの、それぞれのパートは2、3人ずつで、まだ高校の自分のクラスで歌った方が人数も多いし、迫力も出るだろうと考えながら一応聴いていた。 ところが、である。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加