青空に泣く

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「アイスもって遊びに行くからさ~」 「宿題を写しに来るんだろ? 居留守(いるす)使ってやる」 「そんな~アイス溶けるじゃん」  情けない声を出した湊に笑いが起きる。  海翔がクラスに馴染めているのは幼馴染(おさななじみ)の湊のおかげだ。  湊がいなければ海翔も、中村麻帆のようにうつむいてばかりだったかもしれない。  みんなに合わせて薄く笑いながら、(なな)め前の微動(びどう)微動だにしない背中を見る。  すべての声を遮断(しゃだん)しているような白いブラウスの背中の向こう側、うつむいた彼女はどんな表情(かお)をしているのだろう。
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