プロローグ

2/5
前へ
/56ページ
次へ
西暦 2067年 「2006年8月24日のIAU(国際天文学連合)では冥王星は太陽系から除外されているんだね」  木々の谷間に日差しが射した。  少年とその父は空を見上げて冥王星の話をしていた。 「へ? じゃあ、冥王星だけなんてかわいそうだよ」 「ははっ。そうだね。それから冥王星は準惑星という定義の中に入っているんだ」 「へえー。どうして、冥王星だけ仲間外れなの?」  父は一瞬だけ難しい顔をした。だが、少年に向かって微笑んだ。  風が気持ちのいい昼だった。  今は丁度、12時になったばかりだ。  生い茂る森林の多い公園にピクニックに来た二人には、とても気持ちのいい日だったろう。父のリュックにはサンドイッチと烏龍茶。スライスチーズ。トマトケチャップ。チーズバーガーなども入っている。 「太陽。月。金星。水星。土星の五天体の吉星に対を為している。凶星の中にも入っているし、何かがあるのかも知れないね。じゃあ、そろそろ食べようか。お腹が空いてしまったよ」 「うん!」
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加