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「にゃー」
「ふう……。なんとかなったな。後はおひるねこが食べ終わるのを待つだけか……」
リーエはしゃがみこんで、おひるねこに開封された缶詰を差し出した。だが、与えた開封された缶詰を前に、おひるねこは突然に総毛だち警戒した鳴き声を発した。
「シャー!」
「な、なんだ! この胸騒ぎ……いや、嫌な感覚は?!」
リーエは冷や汗をかいて立ち上がると、二本のソードエネルギーを抜いた。
今は、辺りは暗かった。
僅か一メートル先も見えないほどだ。
リーエは二本のソードエネルギーを一振りした。ソードエネルギーが唸りだし、放射型電流が辺りを照らした。
「なに?!」
暗いトンネル内に眩しいくらいの明かりが取り戻されると、リーエとおひるねこの周囲をぐるりと銃を構えた女性軍人たちが包囲していた。…いや、正確には女性軍人たちは擬態したTUだ。それぞれが撃鉄を上げる。
リーエは瞬く間に作戦を閃いた。瞬間的にソードエネルギーの出力を最大にし、その膨大な電流がトンネル内全てを激しく照らした。
TUたちが戸惑った。
何故かというと、逆光になっていて、リーエとおひるねこの姿が光の中へと消えていて見えなかったからだ。
リーエは一体、一体、とTUを切断していった。
「ふはははっ、遅い!! そのまま寝ていろ!!」
緑色の液体で地面が染まるほど、リーエはソードエネルギーで斬撃を繰り返した。TUたちはバタバタと倒れていく。
だが、斬り損ねた一体だけのTUが、兵器運搬所とは逆のアベンジャーズ・ザ・ウィメンズの本部の方へと逃げ出してしまった。
「ふん! だから、貴様らは遅いと言っている!!」
リーエはプラズマショットガンで狙いを定める。
一発の電気的な発砲音がした。
プラズマカートリッジが一つ地面に落下する瞬間。逃げたTUが高電圧のプラズマによってバラバラになっていた。
「それでいい。ずっと、寝ているんだ……」
早撃ちもできるリーエは、マントを翻して缶詰を食べ終わったおひるねを連れ、本部へと向かった。
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