約束の時間

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 2022年、僕が生まれて18年がたった今、僕と同じ役割を担っている仲間たちは世界中に溢れかえっています。  大都市で仕事をしていた僕のお母さんは、もうずいぶん前に亡くなってしまったのですが、お父さんはまだ生きています。が、何とも理不尽なことではあるのですが、不治の病にかかったわけでも怪我をしてしまったわけでもないのに、お父さんはもうすぐ亡くなってしまいそうなのです……。  でも、お父さんは亡くなることをそれほど恐れていないらしく、およそ50年間、この片田舎で自分に課せられた仕事を、日々コツコツとこなしてきたことに大変満足していると語っています。  そしてこれからは、僕や僕の兄弟や次世代の子どもたちが、お父さんの役目を受け継ぎ、世界を担っていく存在になっていくということに喜びを感じているようでもあるのです。僕はそんなお父さんを尊敬するのと同時に、その潔さを誇らしく思います。
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