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「最悪だああーっ!!」
あかりは泣きそうになりながら、自分の足をできるだけ素早く動かした。時計を適度にチェックしながら優雅な朝の時間を過ごしていたつもりが、出発予定時刻を大幅に過ぎての登校。もっとも、こまめに時間をチェックしていれば、時計が故障していることに早く気付けたかもしれないが、もうすでに起きてしまったことは何度悔いてもやり直せない。あかりは、呑気にピーナッツトーストを作っていた自分を殴りたくなった。
セットした髪は見事にぐちゃぐちゃで、右側は外にはねた状態で肩のあたりをバウンドしているし、汗ばんできたおでこには前髪がベットリくっついている。スカートは大胆に捲れ上がっていたが、下に短パンを履いているから、見るなら勝手に見てくれと半ば投げやりな気持ちになった。
帰りにいつも立ち寄るパン屋を過ぎると、坂道はグンと急になる。いつもなら同じ制服を着た生徒たちが、川上りをする魚のように歩道を埋めているが、今朝はびっくりするほど人がいない。その状況がますますあかりを焦らせた。
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