村山潤二朗

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村山潤二朗

「アニキィ」 「どうしたサブ」 「アニキが管理している出会い系サイトの売り上げが、今月も順調でゲス!」 「馬鹿野郎!『出会い系』じゃねえ!『マッチングアプリ』って言うんだよ」 「どう違うんゲスか?」 「一緒だよ」 「ならどっちでも良かでゲス」 「名称が違うって言うだけで全然違うんだよ」 「そんなもんゲスか」 アニキと呼ばれたこの男は村山潤二朗。 一言で済ますならインテリヤクザ。シノギは儲かる事全般、アプリ開発、転売、詐欺・・・まず金を稼ぐことが優先で善悪やモラルなど全く気にしない、と本人は言っている。 長身だが、かなりの痩せ型で喧嘩も血を見る事も大の苦手である彼。 それでも金を稼ぐにはヤクザになるのが1番という結論を導き出し、今に至る。 「アニキィ」 「今度はなんだサブ」 「タピオカの在庫がさばき切れないでゲス」 「ああ・・・闇ルートで買い付けたはいいものの、3年契約してしまったのは失敗だったな。ブームがもう少し続くと思ったんだが」 「どうしゲスか?」 思考モードに入った村山だが、数秒でアイデアにたどり着いた。 「そうだな・・・タピオカに着色しろ」 「色を塗るんゲすか?」 「ああ、虹の様に7色のタピオカを用意して販売する」 「なるほど、商品名は『レインボータピオカ』って感じゲスね」 「馬鹿野郎!タピオカそのものに世間は飽きているのに、名前に入れてどうするんだよ、名称ってのはもっと大事に!そして大胆にだ!!」 「す、すいませんゲス」 村山は視線を下げて考え出したが、またすぐに思いついたようだ。 「そうだな商品名は・・・『アンネナプタンポポホフ』だ」 「ど、どう意味ゲスか?」 「意味なんかあるか、だが名前だけではタピオカとイメージしづらいだろ?」 「なるほどゲス・・・」 「さっさと取り掛かれ!」 「ゲス!!」
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