もっと近づきたい!もっと知りたい!のに?恋愛音痴は取扱注意!

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「ふ、フラれたと言っても、告白してフラれたんじゃなくて、相手が結婚するって聞いて。告白する勇気もなく終わったんです」 驚く里深に琴葉は恥ずかしくなって焦って捲し立てた。 「ピュアって言うか……」 こんな子が本当にいるんだと、つい里深は本音が出た。 「子供っぽいとか思ってます?」 琴葉は何でこんな話になったのかと、段々恥ずかしくなってきた。 「あー、いや、スレてなくて新鮮と言うか」 「重いですか?」 里深があまりに驚いているので、やっぱり自分は執念深いのかと琴葉は落ち込む。 「……正直、人によると思う。そこまで一途に愛されたいって人もいれば、もう少し楽に恋愛を楽しみたいって思う人もいるだろうから」   琴葉の話を聞きながら、過去の恋愛を思い出しながら、自分だったらどっちなのかと里深は考えていた。 「そうですよね。私、告白とかもされたこともないから、恋愛ってよく分からなくて」 琴葉は話していくうちに、なぜか恥ずかしいと言う気持ちよりも先に、唇が勝手に動いて言葉を発していた。 真摯に話を聞いてくれる里深に対して、変に意識がないせいか素直に告白が出来る。 「無理に分からなくても良いんじゃない?」 里深は、何故か遊馬の事を浮かべながら答えた。 「でも恋愛してみたいです。好きな人に夢中になるだけじゃなく、ちゃんと相手にも好きになってもらって、夢中にもなってもらいたいなぁ。なんて」 恋愛漫画の読みすぎかなと思いながら琴葉は照れるが、里深がフッと微笑むと、琴葉は変な事を言ってしまったかと内心焦る。 「でもそれが正解なのかもね。一方通行じゃなくて、お互いを見つめ合える関係って良いなって俺も思うよ」 里深が同意してくれて、琴葉はホッとした。
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