もっと近づきたい!もっと知りたい!のに?恋愛音痴は取扱注意!

19/19
64人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
琴葉はその夜、結衣に電話で里深と会った事を報告した。 『藤下君がバイト休んでたから黒部さんと水族館行ってきた』 結衣はその報告にびっくりした。 どんな経緯で、里深と水族館に行く事になったのか想像ができない。 『何で黒部さんと水族館?意味が全く分からないんだけど』 結衣がそう思うのも当たり前だと、琴葉は経緯を全て結衣に話した。 流れを聞いて、結衣は少しだけ心配になる。 『マジ?黒部さん、ことに甘いよね。もしかして黒部さん、ことの事かなり気に入ってるのかなー』 くるみに言われた事を思い出して、結衣もそう思えてきた。 里深の琴葉への態度は、話を聞いているとそう思えてくる。 『ないないない!あの黒部さんだよ?暇だったから誘ってくれただけだよ』 結衣に勘違いされていると琴葉は焦る。 里深に限ってそんな事は無いと琴葉は思っている。 『うーん、それもそうか。ことが藤下君を好きになってるの知ってるわけだし』 『うんうん。藤下君の話も聞いてくれたよ』 琴葉の無邪気さに、もし里深が琴葉に気があるなら、それはそれで罪作りだなと結衣は思う。 『はぁー。人が良すぎるよねー。黒部さんも』 流石に少しだけ結衣は呆れながら言う。 『本当。しかも大人だよね。余裕があるって言うか、誰にでも優しくできるんだん』 色々話を聞いてもらって話を聞けて、琴葉的には満足できた1日になっていた。 『確かに、1つしか違わないのに。疲れないのかな』 里深と出会ってから、今まで会った時のことを思い出して、結衣は里深が心配になった。 茉美の事は解決したが、茉美だけではなく、色んな人に気遣いが過ぎると思った。 『え?』 『大人すぎるって話よ。そんなに会ってないから普段を知らないけどさ』 結衣が里深を心配するので、もしかして結衣は里深が気になるのかと琴葉は思ってしまった。 『あ!誤解しないでよ!別に黒部さんの事、気にしてるわけじゃないからね!』 琴葉が黙ってしまったので結衣は慌てる。 『え?何で、私が思っていた事分かったの?』 結衣に考えている事がバレたので琴葉も慌てる。 『だって、こと分かりやすいもん。本当にただ思ったことを素直に口にしただけだからね』 冷静な結衣の口調に、琴葉は自分が分かりやすい事にただ恥ずかしくなった。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!