Day14. 幽暗

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Day14. 幽暗

 長き日の終わりに月上りて、夕闇、澄みたる青のおもむろに光失わるる様を、薄らとすがめに見遣りつつ、「かくや暗き夜の訪れは、雨音迫り来る川辺の如し」と(おもて)を伏せつ。御方「光失せにし空の末、げに花の散りゆくかな」とのたまうを、面上げ、見上ぐるに、かえって空の片端の(しゅ)に染まりくる様あり。「花よ」とのたまいしそのまなこの夕暮れの空を映したるを、浮き立ちて、目離し、「まこと花なり」とのみ言いけり。 ――或る女房の日記より ----- 20220714
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