Day25. キラキラ

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Day25. キラキラ

星がきらめくのを 人は瞬きと称し 星がまるで(まなこ)であるかのように 言うのです そして星は死んだ人の魂なのだとも 皆言うのです ですからわたしは 毎夜空を見上げて いくつもの輝く眼へ 問いかけます 「あなたはだあれ?」 答えはなく 光はそこにあるばかり 太陽が空に昇るまで 星は目覚め続けている であれば 星達は見ているでしょう あの人のことを わたしへ花の冠を授けた あの人のことを ああ、おかあさん、どうしましょう 彼の眼に わたしは落ち着かないばかり 優しい眼差しに ため息をついてばかり ひとは恋人なくして 生きていけるものなのかしら? そうであれば良いと 何度も星に願ったけれど ねえ、おかあさん 聞いて欲しいの わたしの苦しみを ねえ、名も知らぬ星の眼 聞いて欲しいの わたしの喜びを そして導いて欲しいのです わたしの行く末を 夏の空 鳥の十字 琴の音よ 旅人の行く先示す 北の道標よ わたしが迷わないよう そこでずっと輝いていて ----- 20220728
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