Day4. 滴る

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Day4. 滴る

 こぼれ落ちていった。 「ずっと内緒にしてたんだよ」  その口の端から、こぼれ落ちていった。 「でもね、もう、我慢ならなくなったの」  ぽたりぽたりと、一粒ずつ、やがてぽろぽろといっぺんに。 「ずっと気になってたの。ほんとはね、ずっと見てたし、聞いてたんだ。だから今何してんのかなとか、何考えてるのかなとか、何時に帰るのかなとか、いろんなこと気になってたの。でもこれ、良くない気がして、言うのだけは我慢してたの。今まで、今の今まで、ずっと」  思いというしずくはやがて雨粒になって、雨になって、ざあざあと降り注いで私を濡らしていく。滴る、滴る、髪の端から、肌の上から、下へと滴る。  滑り落ちていく。 「でも我慢しきれなくなっちゃった。言わなきゃいけなくなっちゃった。ごめんね、ごめんね、あやちゃん」  みいちゃんが泣いている。ぽとぽととしずくをこぼしながら泣いている。 「あやちゃんがたっちゃん殺したこと、お巡りさんに話しちゃった。ごめん、ごめんね」  滴る、滴る。みいちゃんの内側から真実が、私の内側から冷や汗が。  ――滴る。 ----- 20220704
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