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杖と歩行器〜術後六日目
前回、初シャワーの際に最も苦労したことを書くのを忘れていました。
それは、『靴下を脱ぐ』行為です!
私は手術当日から、ずーっと同じ靴下を履いていました。なんと! まる五日間!
意外と臭くなっていません(自分ではそう思っていますが、看護師さんはどう思われていたか不明)。
この靴下は、病院から貰ったもので、医療用着圧ソックスです。
GU◯Z◯のソックスで、どこに売っているのだろう? 素晴らしく脚を締めつけてくれるソックスです。
手術後は、大抵の人は脚の浮腫があり、時には血栓が出来ることもあります。ただし、それらはほとんど深刻なものではなく、多くは無症状だそうな。ですが、その内の0.01%くらいに肺の血管が詰まることがあり、とても危険です。『肺塞栓症』という病気(いわゆるエコノミー症候群)で、最悪死に至る怖い病気。それらの予防のために、着圧ソックスを付けるのです。
しかし、このソックスは皮膚の一部なの? ってくらい体にフィットする。脚を動かすことが不自由な身では、キツ目の靴下の着脱は一人では不可能な事案。無論、看護師さんに頼めば脱がせてもらえますが、私にはその発想はなかった。
四苦八苦して、二〜三分かかって脱ぎました。
全裸の女が鬼気迫る表情で、様々な体勢を取りながら靴下を脱ぐ姿。想像するだに怖い。もし見ている人がいたら、おかしいを通り越して恐怖を覚えたかもしれません。『変ないきもの』に見えたことでしょう。
なぜ先に病室で靴下を脱がなかったのか! バカすぎる。
シャワーの後、今度は靴下を履くのに七転八倒しました。
靴下の着脱と、足の爪を切ること。これは、私の前に立ちはだかる大きな壁でおます。大げさでなく。
さて、術後六日目。リハビリで私は杖の使い方を教わりました。
「やったぁ! これで私も魔法使いの仲間入りね」では勿論なくて。よくあるフツーの歩行補助用の杖です。
退院後しばらく、私は家の中でも杖をついて移動しましたが、「深夜にコツコツ鳴る音が怖い」だの「長老キター」だの、家族から散々からかわれました。ですが、今後も、ちゃんと歩けるようになるまで、この杖と生きていく。
ちなみに、Am◯◯onで2,745円でした。ベストセラー1位だったから、その杖を買ったんだけども。一番安かったし。
しかし今、Amaz◯◯のサイトを見たら、4,145円になってる! どういうことだ。たった二ヶ月でお値段1.5倍。
戦争は関係ないよね。 円安の影響? 社名が漢字二文字だから、日本の会社のものと思ってたけど、海外から輸入しているものだったのか。謎だ。まあいいか。
話が逸れまくって、すみません。
理学療法士の先生から、「歩行器でしっかり歩けていますから、院内はどこでも見守りなしで行ってもいいですよ」とお許しが出たので、術後六日目で、私は病院一階にあるコンビニに水とお茶などを買いに出かけました。
〜歩行器って素敵。
杖より好き。
歩行器は、歩くというよりエスコートしてくれる感じなの。ウフフ。〜
近い将来、お年寄りの移動手段は、電動車椅子より歩行器が主流になっているような気もします。ないか。
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