手術当日〜麻酔って怖い

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手術当日〜麻酔って怖い

 手術は、午後13時30分からの予定でした。が、午前の手術が延びたので、14時に看護師さんが迎えに来られました。  朝から絶食でしたが、点滴(何の点滴か聞くの忘れた)しているので、喉も乾かないし、お腹も空かない。  私は前開きの寝巻きに着替え、術後の浮腫予防の着圧ソックスを穿きます。車椅子に乗せられ、エレベーターで地下にある手術室へ。  でもその前に、エレベーター前にある待機ルームでじいや()と一瞬顔合わせ。  手術の間、家族は、この待機ルームで待たなくてはなりません。これは手術中に何かあった時、通常の予定になかった術式や薬剤を使用するので、家族が同意書にサインしなくてはならないからです。  まあ、今回の手術は二時間程度(麻酔の時間を入れて三時間くらい)ですから、「頑張って」「ザッツオーケー(いや、私がやるんじゃないからね)」くらいの会話で、私は手術室へ。  車椅子は結構なスピードで、手術室を目指します。  皆さま、手術室って入ったことありますか?  読んでくださってる方の中に、医療従事者の方がいらしたら「知ってる、了解」だと思いますが、私は初めて入ったので、「うわぁ〜」って声が出そうになりました。  壁全部が金属製ですかね? 銀色に輝く無機質な部屋に、幾つもある大きな照明。宇宙船の中みたいでした、知らんけど。  圧倒されて呆然としている間に、ベッドに横たわり、頭にシャワーキャップのようなものを被せられていた! って感じ。 「花野さん、麻酔入れますね」  緑色の防護服をまとった女性が仰る。この方は多分、二週間前に麻酔の説明をしてくださった麻酔医の先生かな。執刀医の先生と補助の先生(お二方とも主治医です)、看護師さんが大勢いらっしゃるようです。  麻酔用のプラスチック(?)マスクを口に当てられ、二回ほど吸った次の瞬間、肩を叩かれました。 「起きてー! 起きてください。息吸って吐いてー」 「ぷはー」って、私は息を吐きました。 「自発呼吸できてます、大丈夫です」  女性の声がして、 「お疲れ様でした。無事終わりましたよー」  また違う誰か女性の声がして、私は手術が終わったことを知りました! (えええええー‼︎)  麻酔って怖い。  一、二回麻酔薬を吸ったら、二時間半過ぎていた。  あの不思議な感覚。  ある意味、入院中で一番忘れられない出来事かもしれません……! 「はい、移します。せーの」  という看護師さんの合図で、私の身体は手術室の寝台からストレッチャーに移されました。そして、そのまま再び病棟に戻ります。  エレベーターで地下から六階の病室へ。  またまた待機ルームで待っている家族に顔見せ。  その際、ストレッチャーにぼーっと横たわっている私に、じいやが 「気分はどう?」  と尋ねて、私は 「まだしんどいよー」  と、はっきり返事したらしいのですが、全然記憶なし!  その後、じいやは、主治医の先生から手術について説明(何度もすみません、先生)され、術後の注意事項など色々お話があったようです。その間に、私は自分の部屋ではなく、ナースステーション横の管理室(というのだろうか? 看護師さんが一晩中、様子を見に来てくれる部屋)へ移されました。  この手術の後が地獄の苦しみ(←すんげぇ大げさ)だったのですが、それはまた次回!
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