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反抗的な視線をこちらに向けるが、明後日の方向に向いた鼻から血をダラダラ流されては全く迫力が無い。
生意気な口を利く男の顔面をフォアグリップで強く殴りつけた。
重い一撃、油と埃にまみれた汚い顔面を殴りつけた時、微かに感じた表皮の滑り気に僅かながら嫌悪感を抱いた。
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それまで反抗的だった男も、今では痛みでまともな思考ではいられないだろう。かなり疲弊した様子で虚ろな表情をこちらに投げている。
「五、六発殴った程度で呆けた面晒してるんじゃないわよ」
私が銃を振り上げると、男は反射的に手を前に出して怯んでいる。
折角の武装も所有者がこれでは浮かばれない。
「たった六人で俺達だどうのとか言わないわよね。仲間でもいるの?」
「あ、ああ、いるぜ……沢山なぁ……!」
「ふ~ん……沢山ね」
ふと、気配を感じて左手の銃を真横に向け、気配に向けて撃ち込む。
数発の銃声。その僅か一秒かそこらの間にバタリ、と倒れる音。撃ち漏らしがあったらしい。
「ヒッ……」
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