ステアーという女

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 顎鬚を弄りながら私が連れて来た男を値踏みするようにジロジロと見つめる。 「なんだってあんた、親父が撃たれたんでしょこいつ等に」  呆れた様な私の表情に南部はカカカ、と乾いた笑いを飛ばすといきなり男の胸倉を掴み軽々と拳ひとつ分男を持ち上げると男のホルスターに片手を伸ばし……。 「ハァッ!! あ、ああああ!!」  一発の銃声。  南部は持ち上げた男のホルスターから男の拳銃を引っこ抜くとその銃で男の片足を撃ち抜いたのだ。  そして男を床に放り投げる。  ドサッと投げ出された男は私に蹴られた時の様に蹲り、撃たれた足を叫びながら押さえていた。 「あ、あ、ああああああ!!」 「喧しいクソガキ! 本当なら二度と銃を握れねえ様に指全部詰めて外に放り出しているところだクソッタレめが!」  南部の唾が飛ぶ程大声の恫喝。私にとって聞き慣れたものだが、冗談に聞こえない南部の言葉に男は涙を流して必死に声を殺していた。私と南部、いや、このヴィレッジを襲った事が運の尽きだったようだ。  南部の後から門を操作していたイサカが現れる。 「銃声がしたと思ったラ……南部さんでしたカ」
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