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巨大な空気清浄機で外気の塵を遮断し、内外の空気を入れ替えていても、ここの空気は薄く感じる。
その理由としては積み上げられた物、物、物。ガラクタで積み上げられた敷居によって区画分けされた人々の居住スペースで本来広かったであろう通路は人二人が横に並べば塞がってしまう程に狭苦しい。
そしてしっかりした壁で仕切られていない居住スペースが並ぶ為、生活音や臭いと言った目に見えない物は容赦なく敷居の外へ漏れているのだ。
昼も夜も無いヴィレッジ内部。だが血で引き継がれてきた体内時計と言う物は割と正しく、時計で零時を指す様な時間帯には夜の営みの声が微かに聞える事もある。
正直ソレ用の部屋でも用意してもらいたいものだが、あるとすればトイレぐらいしか無い。
私は南部に育てられた事もあってか、しっかりした個室で暮らしていたがこうして居住区を歩くと時折聞こえてきたりして、小さい頃私はその度に早歩きをしてその場を素早く通り過ぎたものだ。
敷居の薄い場所からは貧乏ゆすりの音や食事の咀嚼音まで聞こえてくる事もある。
だが、そんな事を気にしていられるほどヴィレッジ住民は余裕など無いのだ。
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