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にこやかに笑いながら私の横をすり抜け、ドカドカと部屋に入って来るイサカを背を見ながら肩を落とす。
スイッチを放すとしばらくして自動で扉が閉まった。
「いやぁまた背が高くなったんじゃないカ? あと胸も」
「オヤジ臭いセクハラ、おっさん共に囲まれる職場にいると感性も加齢臭を帯びて来るのかしら?」
「ツッコミは変わらず鋭いなァ。でも大人になったなと思うのは正直な感想サ」
「だったら最初からそう言いなさいよ。それと私はとっくに大人よ」
「大人なら自分を大人って言ったりしないサ」
「……違いないわね」
二人揃って苦笑する。
こんなしょうも無ければ品も無い会話、小さな社会の中で長く付き合ってきた腐れ縁同士でなければ成立しないだろう。
食堂に入り浸ってる酔っ払いジジイに同じ事を言われたら、きっとその場でドタマかち割ってたと思う。
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ひとつの部屋に男女二人。しかし全く持って男女の関係という空気が無い関係。
部屋の真ん中にある丸い食卓に持って来た配給食を置き、それを私の食器に移すと席に着いた。
「キャラバン?」
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