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side魔王
なぜか。何故なのか。
マリエッタ嬢の茶に手を付けくつろいだ表情を見せる愛しの男に頭痛がしそうだ。
どうして僕とではなくマリエッタ嬢との仲が深まっているんだ!
マリエッタ嬢が特にことさら彼にアプローチしている様子はない。対して僕は事あるごとにスマートに彼の欲求を満たしてきた自信がある。
まさに痒いところに手が届きまくりだったはずなのに!
どうしてだ!!僕の勇者が奥ゆかし過ぎるからか!?僕の何が足りないんだ!!
おっぱいか!?柔らかさか!?図体がでかすぎるのか!?太って縮めばいいのか!?
「魔王様、全部口から出ております。みっともないのでやめてください。僭越ながら魔王様にはおっぱいは必要ありません」
常時勇者の姿を追い投影する魔道具は側近バリダの手によって取り上げられる。
「こんなキモいことしていないで働いてください。魔王の仕事も辺境伯の仕事も溜まってますよ」
「だってえ…」
「皆に示しがつきません」
「今はお前しかいないもん」
「もんじゃありません」
べっと舌を出すとバリダは大きなため息をつきながら首を振った。
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