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微笑みかけるとマリエッタは緊張の面持ちのまま頬を上気させた。
さて彼女は無事その“役割”を果たしてくれるだろうか。
彼女の立ち去ったあと、鏡へ向かう。
もう失敗は許されないぞ。
長い黒髪は上品に背で一つにまとめられている。女受けの良い顔だが、男らしいというよりは美しい部類だろうと自分では思っている。
この宝石と例えられる青い瞳も…魅了したいのは女達ではない。
ただ彼一人だ。20年間ずっと。
ずっと想い続けたのだから。
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