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SIDE 魔王
勇者の寝室に起床のランプが灯ったという知らせが入った。魔王城になみなみと満ちた魔力仕掛けのランプは部屋の主の起床を光って知らせる。
はやる気持ちを抑えきれず執務室を飛び出すと、配下の魔物たちがなにか大騒ぎをしながら僕を追ってくる。
うるさい。ほんとうるさい!
放っといてくれ、こんな時くらい!!
彼と再会するのに一体何年かかったと思う!?
そのために魔王にまでなったのに、目覚めにおはようの一つも言いそこねるくらいなら魔王なんてくだらない権力の座、今度こそぶちこわしてやる。
団子になって止めにかかる魔物達を凄まじい剣幕で薙ぎ払い、というか全員まとめて引きずりながら。
勇者の寝室へたどり着く。
昨夜は全然格好がつかなかったけど、今日はあんな失態は起こさない。
なぜなら僕は、私は。魔王なのだから。
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