第一幕

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 ハルヒコには結婚を考えている女性がいる。  具体的に将来の話をしているわけではないけれど、彼女――森本(もりもと)アオイも結婚について前向きに考えてくれていることは感じている。  お互い結婚を意識しているのだから、あとは結婚すればいいだけの話なのだが、そこには避けては通れない一つの問題がある。  プロポーズ――。  これからの人生をともに歩みたいという意思を伝え、結婚を申し込む人生の一大イベント――なのだが。  これが問題なのだ。  世の女性の多くは思い出に残る素敵なプロポーズされたいと思っているらしい。  ハルヒコもずっと思い出せるような気の利いたプロポーズをしたいと思っている。  ただ――。  何と伝えればいいのか。  いつ、どこですればいいのか。   そのために必要なことは何なのか。  それがわからない。
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