おばあちゃんの足音

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 ぺったり、ぺったり。そう表現するような足音だった。いつも思い出す姿は、私が小さい頃のおばあちゃんだった。  理由なんか分かりきっている。私が逃げるように家を出て、なかなか帰らなかったから。久しぶりに会えば、嬉しそうに笑うおばあちゃんを煙たがったから。  罪悪感が胸の奥に募り、涙がまた止まりそうにない。止まない雨は、私の涙と合わさって地面にシミを作っていく。卑怯だな、取り返しが付かなくなってから後悔するだなんて。  力なく握ったスマホに表示される真実さえも、涙で濁して目を背けた。大人になってからこんなに泣いたのは、いつぶりだったろうか。  ――おばあちゃん、ごめんね、最後もまともに会えなくて。
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