3

1/1
前へ
/4ページ
次へ

3

「あぁ・・・雪二郎(ゆきじろう)か、気持ちいい・・・」 「あ、あ、圭子(けいこ)お前、締まりやがる!お前、最高だぁ・・・」 「あぁ、あっ!いい!もっと、突いてぇーー。」 母の喘ぎ声が海斗と同じ年頃の女の子のように聞こえた。彼から表情が消えた。妙に冷静になっていく。 ふたりに気付かれないように、音を立てず自室から金属バットを持ってきた。 そして、何か決まりきった作業を遂行するかのように、母と雪二郎の頭部をバットで思い切り殴った。 ふたり呻き声は聞こえたが、グチャグチャとふたりの脳髄を掻き回す音だけが、母の寝室に吸い込まれて5分もすると、部屋から何の音もしなくなった。 バットがいつもより軽く感じ、海斗は少し、嬉しかった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加