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ぐるぐる回る洗濯機。 ぐるぐるぐるぐる...... 僕の心の中もぐるぐる回ってる。 帰って来て回し始めた洗濯機を見ながら、僕は動けなくなっていた。 5日後に行われるプレゼン。会社を挙げての大がかりなプロジェクト。そのリーダーに抜擢されたあなた。大きな仕事だから、いろんな部署から参加してて、僕もその一人。 今日は初めての打ち合わせで…… 知らなかった、あなたと一緒に仕事をしてる企画課の課長が、あんなに綺麗な女の人だなんて。 寄り添うように、隣に立つ課長。ちょっと距離が近いと思ったのは僕だけ? 近くにいた女の子達が「お似合いだね」なんて言うから………自分でも、だんだん口が尖っていくのが分かる。 何気なく、あなたの腕に彼女の手が触れる。 それだけで、何だか泣きそうになった...... さっきから、ずっと見てる洗濯機。 ぐるぐるぐるぐる回ってる....... 僕の心の中も、ぐるぐるぐるぐる回ってる。 あなたと、あの綺麗な人が......... あなたは僕が好きで、僕もあなたが大好き。それは分かってるし、感じてるし...... なのに......なんでこんなに、ぐるぐるするんだろう。 「ただいま」 背後から声がして振り返る。 「...お帰りなさい」 「.......なんで洗濯機の前で固まってるんだ?」 「...........何でもない」 「...........」 あなたの顔が見れない。だって…今....僕は凄く嫌な顔してる。きっとそう。 あなたが僕を、そっと抱き締めてくれた。 「........疲れたのか?」 「.....うん。ちょっと......だから今日は、もう寝るね」 「....わかった。明日もあるしな」 顔を上げない僕の髪に、あなたの唇が触れる。少し押し付けるみたいにくれたキス。 いつもなら......僕からあなたの唇にキスのお返しをするのに...... 「....お休みなさい」 ぐるぐるの僕は、あなたの顔も見れずにベットに向かった。 「.......うううう。僕のばか.....」 布団に潜って思わず呻く。 ......きっと変に思ったよね。シャワーの音を聞きながら、大きく溜め息をついた。 明日も忙しいし大事な仕事なのに。ぐるぐるの僕は、きっとあなたを困らせてる。 ドアが開く音が聞こえて、慌てて寝たふりをする。 暫くするとベットが沈んで、僕を抱え込むようにしてあなたがベットに横になった。 まだ温かい身体。腕が僕の腰と頭を抱き締めるから、ちょっと苦しいのに凄く安心する。 直ぐに規則的になった寝息。疲れてるんだよね........ なのに......僕は...... 「.......ごめんね」 起こさないように、小さく小さく呟いた。 そっと、目の前にあるあなたのパジャマの胸のボタンを外すと綺麗な鎖骨が現れる。 僕はその鎖骨の下に自分の唇を寄せると、紅い痕がつくまで強く吸った。 僕のもの......... この紅いあとは、誰にも見せられないけど、本当は皆に見せたい痕。 僕のあなただという痕...... ぐるぐるの僕は、その素肌に頬を寄せ眠りについた。
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