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好きな人が別の人と過ごしている現実に、耐えられなくなった僕は、貴方の部屋をノックしていた。 誘って、甘えて、抱かれた。 一時の寂しさを紛らわして欲しくて、貴方に縋った。 何も言わずに、僕を受け入れてくれた人。 毎回、自分の部屋に戻ってから襲ってくる罪悪感。それでも僕は貴方に甘え続けた。 耳元で、何度も繰り返し囁かれる僕の名前。抱き締められる腕の強さ。指先からも唇からも、貴方の気持ちが伝わってくる。 いつしか、貴方の部屋を訪れる気持ちが寂しさからでは、なくなっていった。 貴方の温もりが欲しくて、貴方に抱かれたくてドアをノックする。 今さら、伝えられないこの気持ち。今日は朝まで一緒に居たいと伝えたら、貴方はどんな顔をするだろう。 降り続く雨が止まない今夜も、僕は貴方の部屋をノックする。
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