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物音で目を覚ますと、広いベットに1人きりで寝ていた。 「..........ん」 うつ伏せにになっていた身体を動かそうとして、思わず声が漏れる。 身体がだるい...... いつもに増して愛された余韻の残る身体。 昨夜の事を思い出すと、顔が熱くなる..... 何とか仰向けになると、さっきから音がしているキッチンに目を向ける。 そこには、先週僕があげたエプロンを着けて、何かを作ってるあなたが居た。 「..フフ.......似合ってる」 いつも思ってた……あなたはエプロンが似合う....... 趣味が料理のあなた。仕事の息抜きに作るとは思えないほどの腕前。きっと、そういう仕事をしていても成功しただろう。 料理を作るあなたと、それを運ぶ僕達が営む小さな小さなレストラン……そんな未来があってもいいな…… 想像しただけで、頬が緩む。 部屋の中は、奥の方まで陽射しが届いてる。 僕.......どれくらい眠ってたんだろう。 あんなに並んでたお酒の瓶も、すっかり片付けられていた。 ふと自分の身体に目をやると、いつ着せられたのかあなたのパジャマを着ている。僕には大きいパジャマの襟元から覗く素肌に、赤い跡。 まさか......... 身体を何とか動かして、ベットボードに寄りかかる。片手でパジャマの一番上のボタンを外してみた。 こんなに....... 幾つかは覚えてる。あなたの唇が触れた部分に痛みが走ったこと。 当分、襟のない服は着れないな...... 明日からの仕事のスケジュールを思い返していると、あなたの鼻歌と共に美味しそうな匂いが漂って来た。 料理をしている背中を見てると、少しずつ満ちてくる幸福感でいっぱいになる。 壁の無いこの部屋を、何故あなたが選んだかが、今になって分かる気がした。 僕の視線に気が付いたあなたが、IHを止めると僕の方へやって来る。 「.......起きたか」 ベットの端に座ると、ずっと手が僕の頬に触れる。 「....大丈夫か?」 少し眉を寄せて、心配そうに尋ねる。 「.......うん。ちょっとだるい......あと......あなたの居た場所が熱い......」 僕の答えに、なんとも言えない顔になった。 「......ごめん。独占欲丸出しで.....格好つけて送り出したのにな....」 「......ううん....僕は、その独占欲けっこう嬉しいけど.....」 ふわっと抱き締められる。大切な宝物に触れるように僕の髪を撫でるから、嬉しくて身体を預ける。 「.....何を作ってくれたの?」 「...卵雑炊。食べられるか?」 「....うん」 僕の答えに、抱き締めていた腕を膝裏に移動させるとそのまま持ち上げるあなた。 「........女の子みたいに持ち上げられると....恥ずかしいんだけど.....」 「.....フフフ.....本日は何なりとお申し付けください。俺のお姫様」 「じゃあ今日一日は、思い切り甘えるけど……いい?」 返事の代わりにくれたのは……優しい優しいキス。 愛おしさが溢れる.....僕達の穏やかな休日.......
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